診療科・専門部・部門 作業療法

作業療法について

主として脳卒中、頚椎疾患、神経・筋疾患などの中枢神経系の疾患や上肢の骨折、切断、腱断裂、末梢神経麻痺などの手の外科に対して、「作業活動」や「徒手療法」を用いて上肢の麻痺、筋力、関節可動域、協調性、巧緻性などの改善を目的に治療を行っています。
精神・心理側面からの援助も重要な役割となっており、さらに、手の装具や自助具の作製・処方から日常生活動作指導、家屋改修のアドバイスなど広義に対応しています。
また、軽度の認知症、高次脳機能障害や身体機能障害のある患者さんの車の運転について「単純反応検査」「選択反応検査」「ハンドル操作検査」「注意配分・複数作業検査」の4項目からなる運転適性検査を行い、アドバイスを行っています。

当院の作業療法の特長

①上肢麻痺改善アプローチ

脳卒中や交通外傷での上肢麻痺に対して、運動面ではDRIVE低周波電気刺激装置や反復促通療法を実施、知覚面では認知運動療法やミラーセラピーなどを用い日常生活動作に早期に使えるように支援しています。

②福祉用具の活用

自助箸や食器、角度を自由に変えられるスプーンなど、患者さんの状態に合わせて自助具を貸し出したり、作成したりすることで、少しでも生活の自立度を上げるように関わっています。
重度なコミュニケーション障害の方には、意思伝達装置「伝の心」を使用します。

③運転への支援

運転に必要な注意機能や判断力の評価や訓練を行うことにより、社会生活復帰への支援を行います。
2台の運転適性検査器とシミュレーターを適宜使用しています。

④日常生活動作練習/せん妄予防

作業療法室に設置された浴室やトイレを模擬的に用いることにより、自宅生活を想定した日常生活動作の練習を行います。また、急性期病院で高頻度におきる術後せん妄(一時的な意識障害)対策として、昼の活動性を高め、心理的な落ち着きを得るための作業を行います。

⑤積極的なIADL(日常生活関連動作)練習

日常生活動作がある程度安定して行える患者さんに洗濯・調理など、必要に応じて早期から練習することで、その方の役割を再獲得できるよう支援します。

⑥運動器疾患(肩~手指)への対応

整形外科:肩腱板断裂、人工肩関節置換術
形成外科:腱損傷、切断指、熱傷、手の骨折
各科主治医と連携を取りながら治療プログラムを進め、必要に応じてスプリント(手の装具)を作成します。

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