細菌検査室はヒトに対して感染症を引き起こす病原微生物について検査を行っています。微生物は一般的に細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、真菌(カビ)、原虫などがあります。当院細菌検査室では、主に細菌、真菌を対象に検査を実施していますが、抗原検査や遺伝子検査などを用いてウイルス、マイコプラズマなどの検査も実施しています。
細菌については、どのような細菌が検査材料に存在するのか(同定検査)、感染症の原因となっている場合はどのような抗菌薬に効果があるのか(薬剤感受性試験)を調べています。
またチーム医療の一環として、感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動に積極的に参加し、よりよい医療の提供に努めています。
以下に簡単ではありますが、業務の内容を紹介します。
細菌や真菌は通常目にはみえない大きさの微生物です。検査材料をスライドガラスに塗布し、染色することによって顕微鏡で観察することができます。
大きさを1000倍にして観察します。
ひとつの例として痰をグラム染色で染めた写真です。
肺炎の原因となる肺炎球菌です。
別の染色方法を用いて、結核菌(抗酸菌)の有無についても検査を実施しています。
細菌や真菌を培地(寒天や液体)に発育させることにより、検査を実施します。培地の栄養や発育温度、酸素の有無など様々な条件の違いを利用しながら微生物を育てます。
(いろいろな培地)
専用機材を用いてPCR法で結核菌の同定、COVID-19の検出を行っています。