急性・慢性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍など造血器悪性腫瘍、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血など貧血全般、特発性血小板減少性紫斑病など出血性疾患全般が診療の対象となります。外来部門は月~金の午前中に診療を行っています。入院部門は1病棟7階でクリーンルームが2部屋あります。看護スタッフと学習会を開いてチーム医療の向上に努めています。
造血器悪性腫瘍の闘病生活はその後の人生に大きく影響を与えることが多いため、ご本人へ積極的に病名を告知し、充分なインフォームドコンセントに基づいて治療方針を決定しています。
白血球、赤血球、血小板など血液細胞は骨の中にある骨髄で造られます。急性白血病は骨髄内の白血球(顆粒球やリンパ球)の前駆細胞が“がん化”して正常な血液を造れなくなる病気で、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病があります。急性白血病に対して日本血液学会のガイドラインを遵守して治療を行っています。
悪性リンパ腫は免疫の役割を担うリンパ球が“がん化”して無制限に増殖し、リンパ節やリンパ組織に腫瘍を作ってくる病気です。悪性リンパ腫の大半は化学療法(CHOP療法など)を第一選択とし、B細胞リンパ腫に対して抗体薬(リツキシマブなど)を加えて治療を行っています。
多発性骨髄腫は骨髄中に少数存在する組織球が“がん化”する病気で、貧血、腎機能障害、骨の痛み(骨折)などを特徴とする病気です。多発性骨髄腫に対する治療は急速に進歩しており、基礎疾患に合わせて新規薬剤を組み合わせて化学療法をしています。 65歳以下であれば自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行っています。
骨髄異形成症候群は血液細胞の基となる造血幹細胞に何らかの異常が生じて、正常な血液細胞が造られなくなる病気で、一部が急性白血病へ移行します。「予後因子」と呼ばれる検査所見を評価・分類して予後を予測し、身体の状態など含め総合的に治療方針を決めています。
<令和3年に当院で診断(治療)を受けた患者さんの数>
急性骨髄性白血病 23件、急性リンパ性白血病 3件、悪性リンパ腫 41件、多発性骨髄腫 13件、骨髄異形成症候群 28件
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経田克則(きょうだ かつのり) 血液内科診療部長 ●専門分野● ●資格● |
清木 ゆう(せいき ゆう) 血液内科診療部長待遇 |
日本血液学会認定研修施設
リンク 金沢大学血液内科 https://web.hosp.kanazawa-u.ac.jp/patients/info/hm.html