当科では白内障、網膜硝子体疾患、緑内障をはじめとする眼疾患全般に対する診療を行っております。午前外来診療では予約のある患者さんと紹介状をお持ちの方を優先に診療しておりますが、予約外受診の方や初診の方も必ず診療させていただきます。木曜日以外の平日午前中は常勤医が外来診療を行い、木曜日は金沢大学からの派遣医師の1名体制で外来診療を行っています。
当科では特に手術加療に力を入れており、月曜午後、火曜午後、木曜午後を手術にあて、手術を必要とする患者さんになるべく早く手術を受けていただけるよう体制を整えております。手術件数も年々増加しており、年間900-1000件の手術を行っています。眼科クリニックから手術の必要な患者さんをご紹介いただくことも多く、手術後にはまた紹介元へ通院して頂けるようスムーズな連携を心がけております。
地域の皆様に適切な診療を提供できるよう、スタッフ一同日々努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
阪口 仁一(さかぐち きみかず) 眼科 医長 ●資格● |
満保 芳美(まんぼ よしみ) 眼科 医長 ●資格● |
和田 崇宏(わだ たかひろ) 眼科 医員 |
杉山和久 <非常勤講師>
金沢大学眼科教授 |
東出朋巳 <非常勤講師>
金沢大学眼科准教授(臨床教授) |
白内障は眼の中でレンズの役割をしている水晶体が、加齢とともに濁って視力に影響が出る疾患です。程度は様々ですが、日常生活に支障を来す前に手術を受けられることをお勧めしております。
当科での手術は片眼1泊2日で行っておりますが、両眼の手術が必要な場合は3泊4日の入院で両眼とも手術することも可能です。眼内に人工のレンズを入れますが、そのレンズも単焦点レンズと多焦点レンズの2種類があります。通常の保険診療で使用できるレンズは単焦点レンズで、ピントが一つのところに合うレンズです。それ以外のところにピントを合わせるには眼鏡が必要になります。一方、多焦点レンズとは、さまざまなところにピントの合うレンズです。眼鏡やコンタクトに遠近両用があるように、多焦点レンズを用いると様々なところにピントが合うので、老眼年齢でも眼鏡の使用頻度を減らした日常生活を送ることが可能になります。しかし、通常の保険診療より高額になります。
多焦点眼内レンズの治療費について
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、2020年4月より選定医療の適応となりました。多焦点眼内レンズを用いた白内障手術をご希望の患者さんには、通常の保険診療で白内障手術にかかる費用に上乗せして、多焦点眼内レンズの費用をご負担いただきます。どのくらい手元まで見えるかによって値段が異なります。
・1m~70cm程度まで見えるタイプ:乱視のない場合は146,300円/片眼、乱視のある場合は194,700円/片眼)
・70cm~50cm程度まで見えるタイプ:乱視のない場合は224,300円/片眼、乱視のある場合は268,510円/片眼)
目はよくカメラに例えられる臓器ですが、そこでフイルムの役割をしているのが網膜です。網膜硝子体疾患と言っても、手術で改善できる疾患や眼に注射をすることで改善が期待できる疾患、レーザー治療が必要となる疾患など様々です。しっかり検査を行った後に、それぞれに適した治療をご提案させて頂きます。
緑内障は視神経が徐々に萎縮して視野が狭窄する疾患です。狭窄した視野を改善させることはできません。初期には自覚症状がないため、検診などで早期発見し、早期に治療を開始することが重要です。眼圧を下げることで視野狭窄の進行を緩やかにすることが治療の目標で、主な治療は点眼薬の継続ですが、それでも眼圧コントロールが不十分な患者さんには手術加療が必要になることもあります。