病理診断科では、各診療科で生検や手術などで採取された組織や細胞を、肉眼や顕微鏡で詳しく観察することにより病気の診断を行っています。その結果に基づいて治療方針の決定や治療の効果の判定を行うなど重要な役割を果たしています。この病理診断を専門とする医師が病理医です。
常勤病理医2名、非常勤病理医7名と臨床検査技師6名(細胞検査士6名)が業務を行っています。
病変から採取された組織を、いくつかの工程を経てプレパラートを作製し、顕微鏡で観察し診断を行います。例えば内視鏡検査で、胃や大腸、肺などの一部の組織を採取したり、乳腺や皮下組織の一部を採取したりして病変が良性か悪性であるのかを調べます。手術材料では、良悪の診断や、悪性の場合は癌の進行の程度や十分に取り切れているか、リンパ節などへの転移の有無などを詳細に調べます。
病理医が行う「組織診断」は病気の最終診断(確定診断)となり、その結果は臨床医に伝えられ、治療方針に反映されます。
尿・喀痰・胸腹水中の細胞や乳腺や甲状腺などの病変から細い注射針により吸引した細胞、子宮頚部・体部や気管支などからこすり取った細胞をスライドガラスに塗抹し標本を作製・鏡検し、良性・悪性や病変の推定診断を行う検査です。細胞診検体は、採取が比較的容易で体への負担が少なく繰り返し行うことが可能です。
手術中に提出された検体を凍結標本にして、15 分程度で病理医が顕微鏡で診断します。腫瘍の良悪性、切除断端の癌細胞の有無、リンパ節への転移の有無などを診断し、手術法の選択や切除範囲の決定に指針を与えます。
不幸にして病死された方をご遺族の承諾のもとに解剖させていただき、死因の究明、病態の把握、治療の質的評価、治療効果の判定などを行っています。摘出された臓器は、肉眼的・組織学的に詳細に観察し、最終的な診断書を作成しています。これにより、今後の治療に役立つ情報を得ることができ、医学の進歩への貢献に繋がります。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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病理組織診断 | 6911 | 6698 | 6212 | 6387 | 5994 | 6075 |
術中迅速組織診断 | 276 | 283 | 286 | 298 | 309 | 334 |
細胞診 | 8864 | 9309 | 9266 | 9936 | 9552 | 10317 |
迅速細胞診 | 34 | 60 | 38 | 57 | 101 | 119 |
病理解剖 | 7 | 9 | 7 | 6 | 5 | 7 |
現在以下のような院内検討会を行っています。
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野本 一博(のもと かずひろ)
病理診断科 診療部長 ●専門分野● ●資格● |
向 宗徳(むかい むねのり)
病理診断科 部長 ●資格● |
日本病理学会研修登録施設
日本臨床細胞学会認定施設