研修医・専攻医募集のお知らせ Gautam Deshpande先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

今回のレクチャーでは、前半に私がWallenberg症候群の症例発表を行い、Deshpande先生からコメントやご指摘をいただきました。後半には、Deshpande先生から特徴的な症状や身体所見から診断に至る「snapshot diagnosis」が可能な症例を提示していただきました。今回のレクチャーを通じて、病歴聴取や身体診察のあり方、臨床推論、さらには症例発表の進め方について多くの学びを得ました。
前半の症例発表は、私にとって研修医レクチャーでの初めての発表であり、発表者としての難しさを実感する機会となりました。今回の症例では、身体診察で温痛覚障害の存在に気付いた一方、その出現時期や経過を十分に聴取できていませんでした。Deshpande先生からも、身体診察で得られた所見について改めて患者に確認し、現病歴に反映すべきであったとのご指摘をいただきました。また、患者は当初めまいを否定していましたが、その他の症状や臨床経過からは、めまいに相当する症状が存在していた可能性も考えられました。患者自身が「めまい」と認識していない場合もあるため、質問の表現を変えながら具体的に症状を確認する必要があったと感じました。身体診察で得られた情報をもとに病歴聴取に立ち返り、必要な情報を補っていく姿勢が大切だと学びました。
発表の進め方についても、印象に残った場面がありました。歩行障害という主訴を提示した段階で、Deshpande先生がカットインし、聴衆に鑑別疾患を考えるよう促してくださいました。発表者が一方的に情報を提示するだけでなく、適切なタイミングで問いかけを行うことで、聴衆の思考を促し、議論を深められることを実感しました。今後、自分が症例発表を行う際にも、聴衆が主体的に参加できるような構成を意識したいと思います。また、血液検査についても、単に基準値から逸脱しているかどうかではなく、その数値がどの程度特定の疾患を支持するのかという視点で解釈する必要性を学びました。

ゴータム先生レクチャー

後半では、snapshot diagnosisが可能な症例として、両下腿の感覚障害を呈する末梢神経障害の症例を提示していただきました。特に印象的だったのは、Deshpande先生の現病歴には詳細な情報が盛り込まれており、複数の鑑別疾患を想起するとともに、病歴からその可能性を絞り込めるように構成されていたことです。提示症例はビタミンB12欠乏による末梢神経障害でしたが、血清ビタミンB12値が単独で正常範囲内であっても欠乏を完全には否定できず、臨床的な疑いが強い場合にはメチルマロン酸(MMA)やホモシステインの測定が有用であることも学びました。検査結果は数値だけで判断せず、病歴や身体所見と併せて解釈することが重要だと感じました。
今回のレクチャーを通じて、正確な診断には、患者の訴えを丁寧に聞き取り、身体診察で得られた所見と照らし合わせながら情報を整理することが不可欠だと再認識しました。今後は、患者の言葉をそのまま受け取るだけでなく、質問の仕方を工夫しながら症状を具体的に把握し、得られた情報を診断に結びつけられるよう努めていきたいと思います。

ゴータム先生レクチャー