研修医・専攻医募集のお知らせ 寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

2025年11月21日に福井大学特命教授の寺澤秀一先生にお越しいただき、症例検討会を行いました。研修医が症例を2例提示しました。

1症例目は嘔気嘔吐を主訴にWalkinで受診し、NSTEMIと診断された80代女性の症例でした。腹痛や下痢といった症状はありませんでしたが、低血圧を認めており心筋梗塞を疑いつつも、心電図変化が無く、心筋逸脱酵素上昇を認めたため診断に繋がった症例です。問診では内服薬は点眼薬を含めて漏れのないようにすることや、ACSを疑った際は心電図を20分おきに再検すること、胸部レントゲンで大動脈解離の有無も確認する必要があるというお話が印象に残りました。

寺澤先生レクチャー

2症例目は、喘鳴と呼吸苦を主訴に家族に連れられて救急外来を受診し、COPD急性増悪と診断され治療された 70 代男性の症例でした。まず、寺澤先生が吸気性喘鳴と呼気性喘鳴を迫真の演技で実演してくださり、聴診器で呼吸音を聞く前に患者さんの様子から違いがあるということを実感をもって学ぶことができました。喘鳴の鑑別としてCOPD急性増悪というCommonな疾患を想定していても、心性喘息が隠れている可能性、あるいは増悪を繰り返す患者の中に肺塞栓が潜んでいる可能性など、見落としてはいけない鑑別があることを再認識しました。発症様式・経過・症状の変化から「何か違うかもしれない」という視点を持つことの大切さを学びました。

寺澤先生、今回も非常に学びの多いレクチャーをありがとうございました。

寺澤先生レクチャー