臨床研修

2025年6月27日に亀田総合病院 感染症内科の細川直登先生にお越しいただき、研修医レクチャーが開催されました。先生には「抗菌薬治療の原則」と題して感染症診療についてお話しいただきました。
レクチャーでは、種々の疾患における病原微生物の推定や、抗菌薬治療を見据えた細菌の分類を踏まえ、菌種が同定されていない時点での初期治療や、感受性結果まで判明した後の最適治療でどのように抗菌薬を選択するか、という思考の流れが概説されました。「原則」と題にあるとおり、個々の感染症や細菌の特徴よりは、感染診療に一貫する思考の型について、なるべく暗記事項を排した形でご教授いただきました。レクチャー全体を通して「触らぬ緑膿菌に祟りなし」など数々の箴言が飛び出し、日常診療を行う上で意識するポイントが端的に、かつユーモアを交えて語られていたのが印象的であり、明日からの診療で積極的に応用していきたいと感じました。また、感染症診療の、特に培養結果判明前のタイミングでのグラム染色が抗菌薬選択に及ぼす影響の大きさも改めて実感することができました。
感染症や抗菌薬治療を学ぶ際には数多の微生物や抗菌薬を網羅しようとして挫折することも珍しくありませんが、今回教わった原則に従い、地に足をつけて着実に学びを深めていきたいと思います。

