研修医・専攻医募集のお知らせ 片山充哉先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

2025年6月6日に東京医療センター総合内科の片山充哉先生にお越しいただき、ベッドサイド回診とレクチャーが開催されました。

ベッドサイド回診では、呼吸苦を主訴とする80代男性の症例を発表させていただきました。
呼吸苦という症状一つを取っても、呼吸器疾患に限らず、心疾患や神経系疾患など多岐にわたる鑑別を考える必要があることを学びました。また身体診察を行う際には、漫然と所見を取るのではなく、鑑別疾患を念頭に置き、それに応じた診察を行うことで、より効率的に疾患を絞り込むことができると教えていただきました。

回診後のレクチャーでは、診察の重要性と一行サマリの作成方法について学びました。
これまで漠然と診察していた自分にとって、診察が単なるルーティンではなく、確かな根拠に基づいて病態を絞り込む「診断の武器」であることを強く実感しました。陽性尤度比・陰性尤度比の観点からのお話も非常に興味深く、問診や診察の際には「鑑別診断を持って臨むこと」がいかに重要か、という点が特に印象に残りました。「知らない病気は見逃す。意識しなければ、見えていても記憶に残らない」という言葉は、今後の診療姿勢を見直すうえで大きな教訓となりました。

またレクチャーの後半では、一人の患者さんの情報を簡潔かつ漏れなくまとめる「一行サマリ」の作成にチャレンジしました。一行サマリに盛り込むべき情報として、年齢、性別、リスクファクターはもちろんのこと、経過やテンポを示す表現の重要性についてもご指導いただきました。無関係な情報を加えることで誤診につながる危険性や、高感度な情報が欠けることで診断を見逃すリスクがあることなど、これまで意識していなかった落とし穴を学ぶことができました。
片山先生、今回も大変学びの多いレクチャーをしていただき、誠にありがとうございました。

片山先生レクチャー
片山先生レクチャー