研修医・専攻医募集のお知らせ 寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

2025年05月23日に福井大学地域医療推進講座の寺澤秀一先生にお越しいただき症例検討会を行いました。

一症例目はけいれんと意識障害を主訴に救急搬送された50代男性の症例でした。アルコール多飲歴があり基礎疾患として肝疾患があり身体初見では眼球結膜の黄染も認めました。初めは肝障害から来るけいれんを考えていましたが、頭部CTで被殻出血を認め、脳出血によるけいれんを起こしていたという症例でした。
寺澤先生からはけいれんを見た時には、まずは不整脈から起こったものなのか、そうでないのかを鑑別することを教わりました。寺澤先生自らそれぞれのけいれんがどのようなものなのかを演じていただき大変印象深く残っています。その他にもアルコール多飲者を見た時身体診察で何を見たらいいのかなど沢山教えていただきました。これから救急外来で診察する際に教えていただいた知識を活かしていきたいと思います。

二症例目は、突然の右下腹部痛を主訴に紹介搬送された50代女性の症例でした。痛みの強さは当初8/10で、前医では虫垂炎が疑われていましたが、搬送時には状態は安定しており、痛みも1/10と軽快していました。身体診察では反跳痛などの典型的所見はみられなかったものの、心窩部違和感やMcBurney点での圧痛は認められました。画像検査にて右尿管結石が判明し、痛みの原因は結石で、症状軽快は石の通過によるものと考えられました。

寺澤先生レクチャー

私はこの症例を通して、紹介状の「虫垂炎」という先入観に引っ張られてしまったことを反省しました。寺澤先生からは、紹介情報を参考にしつつも、自らの手でしっかりと診察し判断する姿勢の重要性をご指導いただきました。今後は、紹介内容にとらわれすぎず、上から下まで系統的に身体所見を取り、冷静に鑑別を進めることで、より的確な診断に繋げていきたいと思います。

寺澤先生、今回も非常に学びの多いレクチャーをありがとうございました。

寺澤先生レクチャー