研修医・専攻医募集のお知らせ 寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー

臨床研修

11月17日(金)に、今年度4回目の寺澤秀一先生による研修医向け症例検討会がありました。今回も初期研修医が用意した二つの症例をもとに、寺澤先生にレクチャーしていただきました。

一つ目は発熱を主訴に受診した74歳男性で、肺化膿症の症例でした。これまで繰り返す尿路結石の既往がある方の「左脇腹が痛い」という訴えに対し、つい尿路結石を強く疑ってしまいがちですが、身体所見で正確に痛みの位置を把握した上で、横隔膜より上と下に分けて鑑別を丁寧に挙げることの大切さを実感しました。また糖尿病の既往、長期間の喫煙歴等複数のリスク因子を持つ方であり、そのような患者さんのベースの背景や内服薬等の基本的な情報から、特に何に気をつけるべきなのかを注意深く拾い上げる流れが非常に勉強になりました。
二つ目は持続する湿性咳嗽を主訴に受診した58歳男性で、急性心不全の症例でした。
比較的典型的な症例であったため、バイタルから真っ先に鑑別を絞った上でただ疾患に辿り着くだけでなく、さらにその先に進んで私達がができる治療のアドバイスをいただくことができ、ぜひ次に活かしたいと思いました。本症例は、一つの症例と比較すると未治療の高血圧症以外は特に既往のない方でした。このような場合、救急の現場では検査等で特に問題がなければそのまま簡単な説明をして帰宅させてしまうことが多いですが、せっかく病院に来た機会だからこそ患者さんに今後の高血圧加療の必要性をきちんと説明するところまでしなくてはならないと感じました。

今回も非常に学びが多く分かりやすい説明から、時には思わずクスリと微笑んでしまう小話まで盛り沢山の内容で、最初から最後まで飽きさせない熱いレクチャーでした。この度は、貴重なお時間を割いてお越しいただきありがとうございました。ぜひ、この度先生からいただきました「研修医当直御法度外伝」を熟読したいと思います。次回もよろしくお願いいたします。

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