突然の動悸にお困りの方、それは不整脈かもしれません!「不整脈治療」
最近、突然の動悸や目眩にお悩みの方はいらっしゃいませんか?
10-20代の頃に異性を眼の前にしてドキドキした事は皆さん経験がある事と思います。それは緊張に伴うものであり、病気ではありません。しかし、何の前触れも無く突然ドキドキしてしまう事はありませんか。それは頻脈性不整脈と言う病気の可能性があります。今回は、頻脈性不整脈に関して、3つのキーワードで説明します。
『心房細動』
頻脈性不整脈の中でも心房細動は、脳梗塞や認知症、時に心不全の原因となることから、早期発見及び早期治療が必要になります。心房細動は心臓の一部の心房という部分が痙攣を起こす病気です。心房細動になると多くの場合で脈が非常に早くなり、耐えられないほどの動悸を生じることもありますが、時としてあまり脈が早くならず、無症状の方もいます。但し、脈が乱れる事に変わりありません。自己検脈(手首や首に手を当て、自分で脈を確認する事)で脈が乱れている事を確認できれば理想的ですが、最近の血圧計では脈の不整を確認できるものも存在します。健康管理の観点から是非、定期的な不整脈の有無の確認を行ってみて下さい。仮に不整脈が認められた際は、かかりつけ医ないしは専門医の診察を受けて下さい。
『抗凝固療法』
心房細動と診断された際には、前述のように心房細動が脳梗塞の原因となる可能性が高いことより、脳梗塞予防の薬(抗凝固薬)が必要になります。以前はワーファリンという薬のみでしたが、最近では食事や他の薬の影響を受けにくい新規抗凝固薬が使えるようになりました。少し高い薬ですが、ワーファリンと比較して出血性の副作用の少ない安全性の高い薬です。
『カテーテルアブレーション』
心房細動を始め、多くの頻脈性不整脈(脈が早くなる不整脈)は、カテーテルを用いて根治する事が可能です。カテーテル治療は体におよぼす負担が少なく、数日の入院だけで治療が可能です。心房細動は肺静脈から生じる不整脈が原因であり、肺静脈基部をカテーテルを用いて治療することで、根治する事が可能です.厚生連高岡病院循環器では2004年より頻脈性不整脈のカテーテル治療に従事しており、心房細動のカテーテル治療は富山県内で最初に取り組んでいます。2018年は年間300例以上、これまで2500例以上の方のカテーテル治療を行なっています。検診やかかりつけ医への受診の際に不整脈を指摘された方、普段より動悸や脈の不整にお困りの方、また、目眩も不整脈が原因の場合があります。ご遠慮なく厚生連高岡病院循環器内科不整脈部門にご相談ください。
循環器内科不整脈部門 診療部長
藤本 学