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すこやかワンポイントアドバイス

子どもの発達について シリーズ①「子どもたちの不登校について」

近年、子どもの不登校は増え続けています。かつて登校拒否と言われましたが、行きたいけれど行けない子が圧倒的に多いため、不登校という状況を示す名称で呼ばれるようになりました。文部科学省が2018年2月に公表した調査では、年間30日以上欠席した不登校の子どもは、全国の国公立私立小中学校合わせて13万3683人に上り4年連続で増加しました。kubota-dr不登校の要因は、小学生では「家庭に関わる状況」が53.3%と過半数を超え、「いじめ」は0.7%、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が18.8%でした。中学生になると「家庭」要因は28.9%、「いじめ」0.5%、「いじめを除く友人関係」27.2%となり、学校での人間関係がより大きなウエイトを占めるようになっています。親や大人たちに悩みを打ち明けることができない子どもたちは不登校になる前に、頭痛、腹痛、発熱、朝なかなか起きられない、夜眠れない、人の目が気になるなど体や心の症状を慢性的に訴えます(前駆症状)。親は怠けや意気地なしと叱咤激励し、その程度なら頑張って学校へ行けと背中を押しますが、そのうち症状が変化・悪化して医療機関を受診されます。様々な検査をしても体の異常がないので大丈夫だと太鼓判を押されると、親は「病気でなくてよかった」と誤解し「学校へ行きなさい」ときつく言うようになります。体の病気とは異なる不登校は原因探しをしても無駄です。生まれつきの特性・気質、療育、家族関係(親子関係、夫婦仲など)、学校での人間関係(友達、教師との相性、最近はSNSによるいじめも多い)など様々な要因が絡んでいつの間にか学校へ行けなくなるのです。前述の前駆症状は子どもたちのSOSです。不登校になる前に、疑わしい場合は早めに受診してください。

小児科 診療部長
窪田 博道