あなたの水虫が治りにくい4つの理由
「水虫は治りにくい」とよくいわれますが、どうしてでしょう。水虫のシーズンを迎えるにあたって、その理由を考えてみたいと思います。
【1つ目】 まず、治そうとする病気が水虫かどうかが問題です。足の皮膚が赤くなってジクジクする、皮がむける、かゆい、という病気は水虫だけではありません。実はかぶれなどの湿疹や汗かきでも同じ症状はみられます。水虫でなければ水虫の治療をいくらがんばっても治りません。水虫によく効く薬を塗ったのに良くならない時は、皮膚科で水虫菌がいるのかどうかを顕微鏡で確認することをお勧めします。
【2つ目】 次に、水虫の薬を塗れば良くなるけど、塗るのを止めるとすぐ元に戻ってしまうという場合、水虫菌が皮膚のアカの部分の深くまで侵入している可能性があります。薬を塗れば菌は一旦活動を停止するので症状は良くなりますが、菌がいなくなったのではありません。菌が付着したアカの部分が取れてしまうまで薬を塗り続けなければなりません。それには見た目がきれいになり症状がなくなった後も2〜3カ月間、薬を塗り続ける根気が必要です。
【3つ目】 さらに、ひと夏治療して完治したはずなのに次の夏にはまた再発する場合、水虫菌の隠れ家・爪水虫はありませんか? 水虫菌が爪に侵入してしまうとなかなか手強くなります。爪専用の塗り薬や、できれば飲み薬を使って治療することを考えなければなりません。
【4つ目】 さて最後に、爪水虫はないのに水虫をくり返す場合、周囲に水虫を放置している人はいませんか? 伝染力がそれほど強くない水虫菌ですが、接触する機会が多ければ感染することもあります。水虫ではないかと思われる同居のご家族がおられましたら、あなたのためにも、是非、治療を勧めてあげてください。
皮膚科 診療部長
村田 久仁男