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厚生連高岡病院

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すこやかワンポイントアドバイス

子宮がんは検診が命

dr.nakagawa最近の統計では、日本人のほぼ二人に一人は何らかの癌に罹患することが示されています。癌はもはや誰もが経験する病気であり、進行すれば命取りである一方、早期発見できれば完治することも知られています。産婦人科で扱う癌では、「子宮頸癌」、「子宮体癌」、「卵巣癌」が3大メジャーです。その他に「外陰癌」「腟癌」など比較的まれな癌もあります。このうち「卵巣癌」(現在は「卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌」という分類になっていますが)は、1年毎に検診を受けていても早期発見は困難であり、公的補助のある検診には組み込まれていません。腟内にある子宮頸部から発生する「子宮頸癌」は、ヒトパピローマウイルスの一部の長期感染によって発症することが明らかにされ、検診が容易であることから、年1回の検診を受け続ければ、発見が遅れて命を落とすことはまずありません。子宮頸部に軽い異常が始まった時から発見可能なので、癌になる前に治療することも多いのです。とはいえ日本では先進諸外国に比べて頸癌検診受診率がかなり低いのが大きな問題です。もうひとつの子宮がんである「子宮体癌」は、妊娠時に受精卵の着床する子宮内膜に発生する癌です。多くは閉経後に発生しますが、近年は晩婚化・晩産化の影響、食生活の変化により罹患率が急増しています。不正性器出血で気付かれることが多いのですが、無症状のうちに進行することもあるので、年1回の検診が早期発見・早期治療による完治率の上昇に直結します。40歳以上の女性は、是非かかりつけの産婦人科で1年1回のがん検診(頸癌・体癌同時で約5分で終わります)を受けるよう心掛けて下さい。

 

副院長・産婦人科診療部長
中川 俊信