インフルエンザ流行シーズン到来!
インフルエンザの季節がやってまいりました。この季節を乗り切るために、インフルエンザについて必要なことを主に2点簡単にお話ししようと思います。
1. インフルエンザ予防接種をなるべく早く受けてください。
予防接種法に基づいた予防接種の対象は65歳以上の方、もしくは一部の疾患を有する60歳以上の方、ということになります。しかし、インフルエンザワクチンは、原則生後6か月以上の全ての方に接種が勧められます。インフルエンザワクチンには、自分自身がインフルエンザにかかりにくくなるという効果だけでなく、社会の中においてインフルエンザに感染している人、感染源となる人の数を減らすという別の効果もあります。予防接種をせずインフルエンザにかかるのは自己責任とも言えますが、そこからさらに感染が拡大していく可能性があるということも思いをめぐらせ、ぜひ予防接種を考慮してください。
2.インフルエンザは原則自然治癒する病気であり、薬による治療は一部の方々を除いて不要です。
一方でご高齢の方や、一部の基礎疾患を有する方、妊婦さんらはインフルエンザが重症化するリスクがあるためタミフルなどの抗インフルエンザ薬による治療が重要になる場合があります。医療機関を受診された方皆様に抗インフルエンザ薬が投与されるわけではないことをご了承ください。
日本は全世界の抗インフルエンザ薬の7割を消費していると言われています。不要な抗インフルエンザ薬の投与はウイルスの薬剤耐性化を招きます。抗インフルエンザ薬がないと命に関わるような方々を治療するときに、薬剤耐性化のため使用できる薬がないという事態は避けたいものです。
以上のように、みんなでインフルエンザシーズンを乗り切っていこうという考え方が非常に大切になります。みなさんどうぞよろしくお願い致します。
総合診療科 診療部長
院内感染対策部会長 感染制御医
狩野 惠彦