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厚生連高岡病院

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ニュース&トピックス

M先生のコラム

何事も患者さんの立場で

私事であるが、先日、小さな手術を受けた。
執刀は形成外科の某Y先生。
処置台に寝かされて手術が完了するまで終始声かけを欠かさず、
安心感を持って治療に臨むことができた。
ケアしてくれる看護師の存在もとても大きかった。
これまで消化器内科医として、少なからず治療処置を施してきたが、
患者の立場になるのは初めてで、その心境の違いに驚いた。
医師にとってはなんでもないことでも、患者はひどく不安と緊張を強いられるのである。
かつて、処置中に「声かけが足りない!!」と厳しく上司に叱られたことが思い出され、今更ながら深く反省した。

同様のことは、年末に右手首を痛めたときにも思った。
転倒して右手関節を打撲し、整形外科医からしばらく動きを制限するよう指導された。
それまで患者さんが関節痛を訴えても、内臓の医者である自分は
申し訳ないことに、あまり真剣に向き合ってこなかった。
しかし、である。
わずか一動作が制限されるだけで、日常が途端に不便になり、痛みが生活に影を落とす。
爾来、関節痛の患者さんに対する心の持ち方は確実に変わった。
大変さの一端が知らされるから、ほうっておけない気持ちになる。

「患者さんの立場に立って」
よく聞かれる表現だが、言葉だけでは実践が伴わない。
病気やケガはできれば避けたいが、患者の立場を知った医師だからこそ、できる治療や声かけがあると思った出来事であった。

 

(消化器内科 本藤 有智)