聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
学会や講演会にいくと、講師のお話の後、司会から
「フロア(会場)から質問・コメントありませんか」
と呼びかけがある。
演者と直接やりとりし、疑問を解消できるのみならず、病院をアピールするチャンスでもある(※)。
※発言前に所属と名前を明らかにするのが暗黙のルール
しかし、よい質問をするのは難しい。
大勢の前で手をあげる緊張ももちろんのことながら、
皆さんの貴重な時間をいただくのであるから、
できれば講演内容を補完かつ会場のニーズをつかんだものにしたい。
いつも「こんなことを聞いていいのかな、空気読めているかな」と
尻込みして手を挙げられず、あとで後悔する。
そんなとき胸に去来するのが、
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
たとえヘタな質問で笑われても、それは人生におけるほんの一瞬の出来事で、
新たな知見を得るチャンスを逃すことのほうがよっぽど損失が大きいのだ。
「旅の恥はかき捨て」という諺もある。
次の学会では、ぜひ勇気を持って挙手しようと思う。
(消化器内科 本藤 有智)