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厚生連高岡病院

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M先生のコラム

「ちょっと待って」にひそむ落とし穴

「ちょっと待って」
便利な言葉である。
同時多発的に業務の発生する病院においては、
もっとも多く使われている言葉の一つではなかろうか。

しかし、先日、看護師から耳の痛い一言をもらった。

「『ちょっと待って』ではなく、具体的に『あと○○分待って』と言ってほしい。  
待つ身になる患者さんのことも少しは考えて」

実にもっともな指摘である。

何よりも大事にしている自分の健康に関わる話なのである。
患者さんは、医者の来るのを今か今かと鶴首して待っている。
それこそ一日千秋どころか、”一分千秋”くらいの思いだろう。

もちろん、医者には医者の事情がある。
勝手な言い分かもしれないが、
病には軽重があり、軽症の患者よりも命に危機の迫る重病人にこそ、
まず時間や労力は払われるべきで、予約患者であっても後回しになるのは、
ある程度仕方のないことと思う。

だがここで考えてみたい。  
ちょっと待っての「ちょっと」とは一体どのくらいなのか。
「ちょっと」と聞いて想起する時間は人によってずいぶん違う。
30秒ほど、と思う人もあれば、5分くらいと認識を持つこともあろう。
忙しいときには20分でも「ちょっと」で片づけてしまうかもしれない。

しかし、待たせる側には便利な言葉も、ときに待つ身には牙をむく。
「ちょっと」といわれて待っていたのに、5分しても10分しても相手が現れなければ、
心配し、場合によっては怒り出すかもしれない。

待つ身の5分と、待たせる身のそれとは、
同じ時間でも天地雲泥の差があることを理解すべきである。

待たせる側は安易に考えがちであるが、
人間、5分間息が止まれば、ほぼ100%の人は死んでしまう。
極端な話かもしれないが、待たせている間、  
相手の命を奪い、殺していると言ってもいいだろう。

「ちょっと待って」
予測のつかない診療業務ではあるが、なるべく使わず、
具体的な待ち時間を伝える努力を尽くしたいものである。

(消化器内科 本藤 有智)

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