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厚生連高岡病院

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ニュース&トピックス

M先生のコラム

蒔いたタネは必ず生える -幻の学会発表が教えてくれたものー

消化器の分野では、毎秋に日本消化器関連学会週間(JDDW)という
多学会の合同大会があり、数万人の医師が開催都市に押し寄せます。
消化器を専門にするようになってから、上司の指導で毎年JDDWには
演題登録をしているのですが、昨年度はコロナ禍により、
一般演題はすべて口演中止、抄録(発表予告みたいなものです)
のみの誌上発表となってしまいました。
お蔵入りした我が研究を見て、
もう誰の目にも触れることないんだろうな・・・
と残念に思っていましたが、
先日、大学病院を歩いていたら、
「本藤先生のJDDWの抄録見ました!」
と声をかけてくる若い医師がありました。
なんでも、私と同じ研究をしていて、抄録の内容がとても参考になったとのこと。
まいたタネは必ず生えると言われますが、
小さなことでも形にしておけば、いつか報われると知らされた出来事でした。

【アウトプットが7割】
もう一つ話題提供として、最近心がけているのは、
「アウトプットの量を増やす」
ということです。
日本の教育が暗記(インプット)偏重であることは
以前から問題視されていますが、医学教育もご多分に漏れず、
知識重視の風潮は未だに根強いものがあります。
しかしながら、アウトプットとインプットの関係は
便所と台所のようなもので、
便所がなければ台所で安心して飲食できないように、
アウトプットがあってはじめてインプットにも磨きがかかってきます。
アウトプットとはSNS、ブログ、メール、投稿、講演、学会発表、論文など、
対外的な発信のことです。
樺沢紫苑氏の書かれた『アウトプット大全』によると、
インプットとアウトプットの比率は3:7がいいそうです。
発信→反響→学び→発信→反響→学び→・・・
のサイクルを回すことで人は無限に成長できると考えます。
良いものはどんどん発信して、成長のらせん階段を上っていきたいものです。

本藤 有智
真生会富山病院 消化器センター
厚生連高岡病院 消化器内科 非常勤医師

ロボット掃除機に学ぶ人間の生き方

人気動画の指南に従い、
ロボット掃除機(ルンバ)を購入して半年が経ちました。
結論から言いますと「とてもよい買い物」でした。

以下雑感です。

・吸引力
従来の掃除機とほぼ遜色ありません。
ただし2cm以上の段差は超えられませんのでバリアフリー空間のみカバーします。
また、その丸い形状から、隅っこは苦手ですので、家具の近辺や部屋の角は
少し掃除が甘くなります。

・床が二重にきれいになる
ルンバは床に物がおいてあると十分に力を発揮できません。
ですので、稼働前に障害物を取り除いておく必要があります。
ルンバのため、と思うと自然と床にものを放置しなくなり、二重に部屋がきれいになります。

・使命に忠実
ひとたびスイッチをいれれば、完了するまでは何があっても使命遂行に全力を尽くします。
先に述べた通り2cm以上の段差は超えられないはずなのに、果敢に挑んでいきますし、
床の障害物にも激しくアタックしていきます。
「俺は俺の責務を全うする!!」
といわんばかりのひたむきさは、機械ながらあっぱれで、
自分もかくあらねばと奮起させられます。

・失敗する
ひたむきさが仇になってのことです。
超えられない段差に体当たりして座礁したり、コードにからまって
スマホにヘルプメッセージが届いたりします。
バスマットを引きずって隣の部屋に落っことしたり、
カーペットの刺繍を食べてしまったりもします。
しかしこの「失敗する」という点が、かえって人間くさくて憎めないところです。
もしドラえもんが、絶対失敗しない完璧ロボットだったら、きっと今日のような
ヒットは有り得なかったでしょう。

使命に忠実でありながら、完璧な存在ではなく、時に失敗して助けを求めてくる。
人間とは何かを考えさせられる買い物でもありました。

本藤 有智
真生会富山病院 消化器センター
厚生連高岡病院 消化器内科 非常勤医師

控えめに言って最高です 最近の推し(使い方あってますか?)

若者言葉勉強中の本藤です。
ウィズコロナで、オンラインで活動する機会が急速に増えました。
そこで気になるのが「音」です。
家で一人でいるときは問題なくとも、
家人がいる場合や、出先、職場などではイヤホンを
使われる方も多いと思います。
ところが従来のワイヤー一体型のイヤホンは、
線がからまったり、移動しようとすると
パソコンごと持ち上げねばならなかったり、
ひっかかって耳から抜けたり、
移動しながらだとぶらぶらして邪魔だったりし、
何かと不便を感じていました。
「ワイヤレスイヤホンがほしいなあ・・・」
と思っていましたが、
家電量販店をめぐっても相場は5000円~10000円で、
アップルの正規品などはなんと20000円もします。
無くすリスクを考えると、購入する勇気がでませんでした。
ところが先日、イオンで鬼滅の映画を観た帰り、
3COINS(300円アイテム中心の雑貨屋)で、
1500円のワイヤレスイヤホンを発見。
これならばと思いレジに並びました。
使ってみると、機器との接続も簡単、音質も十分で、
これまでのストレスが嘘のように快適なオンライン
生活が送れるようになりました。
もしワイヤレスイヤホンをご検討中の方があれば、
コスパ最高のイチオシアイテムです。
ただ、ワイヤレスならではの問題点もあります。

1 無くしやすい
ワイヤレスであるがゆえの弱点です。
耳から落ちても気づかないときもあり要注意です。

2 複数の機器で使いまわししにくい
従来型だとジャックに差し込めばどの音源とも
瞬時に接続できますが、ワイヤレスは毎回設定しないと
他の機器との行き来ができません。
複数の音源で使いたい場合はかえって不便です。

3 接続が不安定なときがある
スマホは問題ありませんが、機器によっては
接続が不安定で、すぐに音が出ないことがあります。

これらの不利点があるため、
ワイヤレスしか勝たん、とは言えませんが、
控えめに言って最高、はいえそうです。
以上、最近の推しでした。
(使い方あってますか?)

本藤 有智
真生会富山病院 消化器センター
厚生連高岡病院 消化器内科 非常勤医師

しばられることの幸せ

最初に申し上げますが、私に変な趣味はありません。

先日、医局会で運動の効用について発表がありました。

その中で「無重力では人は10倍の速さで老いる」
との話がありました。

重力のない宇宙空間だと、地上の10倍の速さで
骨密度が落ち、認知機能の低下や脂質・糖などの
代謝異常、循環機能の低下などなど人体に様々な
悪影響が出るそうです。

人間は重力にしばられることを良しとせず、
自由な空に憧れ、宇宙にまで飛び出していますが、
実際には、重力は健康に良くて、
私達は重力に守られているといってもいいのでした。

転じて、法律、規則、仕事、家庭など、
私達はいろいろなものにしばられ、不自由を嘆いて
いますが、実はこれらのものは、私達を守ってくれる
有り難いものなのかもしれません。

「ルールを守るものはルールに守られる」

医療安全講習会でも繰り返し教えられることです。

時には私達をしばるものに感謝して、しばられる
幸せを感じて生きるのも悪くないのではないかと
思いました。

本藤 有智
真生会富山病院 消化器センター
厚生連高岡病院 消化器内科 非常勤医師

人を変える言葉の力 -連載最終回に寄せてー

早いものでこのコラムも最終回を迎えた。
「本藤くん、書くのが好きなら院内ニュースで何か投稿してみる?」
広報委員、H先生の一言で始まった連載だったが、
気づくと1年4ヶ月、13回にわたり拙文にお付き合い頂いた。

日常、ふとした拍子に心に浮かんだ情景を紙面に落とし込んでいく作業はとても楽しく、人生の愉しみを倍増させる”喜事”であった。

文筆経験ゼロの私が書くのであるから、さぞや手厳しいご批判を頂戴するかと
思いきや、意外や意外、道歩く職員の皆様、さらには患者さんからまで「読みましたよ」と温かな感想をいただき感無量であった。
中にはコラムが具体的な行動の変化に結びついたという方も。

「ペンは剣よりも強し」といったのはイギリスのエドワード・ブルワー=リットンであるが、まことに言葉の力の大きさをしみじみと思い知った年月であった。

異動に伴い、小欄も終回となるが皆様の仕事、病院での時間が少しでも豊かなものになるよう心より念じ上げ、感謝の言葉としたい。

ご愛読まことにありがとうございました。

(消化器内科 本藤 有智)

何事も患者さんの立場で

私事であるが、先日、小さな手術を受けた。
執刀は形成外科の某Y先生。
処置台に寝かされて手術が完了するまで終始声かけを欠かさず、
安心感を持って治療に臨むことができた。
ケアしてくれる看護師の存在もとても大きかった。
これまで消化器内科医として、少なからず治療処置を施してきたが、
患者の立場になるのは初めてで、その心境の違いに驚いた。
医師にとってはなんでもないことでも、患者はひどく不安と緊張を強いられるのである。
かつて、処置中に「声かけが足りない!!」と厳しく上司に叱られたことが思い出され、今更ながら深く反省した。

同様のことは、年末に右手首を痛めたときにも思った。
転倒して右手関節を打撲し、整形外科医からしばらく動きを制限するよう指導された。
それまで患者さんが関節痛を訴えても、内臓の医者である自分は
申し訳ないことに、あまり真剣に向き合ってこなかった。
しかし、である。
わずか一動作が制限されるだけで、日常が途端に不便になり、痛みが生活に影を落とす。
爾来、関節痛の患者さんに対する心の持ち方は確実に変わった。
大変さの一端が知らされるから、ほうっておけない気持ちになる。

「患者さんの立場に立って」
よく聞かれる表現だが、言葉だけでは実践が伴わない。
病気やケガはできれば避けたいが、患者の立場を知った医師だからこそ、できる治療や声かけがあると思った出来事であった。

(消化器内科 本藤 有智)

人間関係は難しい -理想と現実の狭間で生きる私たちー

「皆で仲良く」というのは、理想ではあるが幻想である。

それは歴史が証明している。

人類史は戦争の歴史といっていいくらい、古今を通じ地球のどこかで争いがなされている。

それは国と国との間でもそうだが、身近な職場、家庭においても、

常にいがみあい、あの人がいるから、こいつがいなければと憎しみ合っているのが実情ではなかろうか。

「過去にも、今にも、未来にも

 皆にて謗る人もなく

 皆にて褒むる人もなし」

       (経典)

あのお釈迦様ですら、当時インドの人の3分の1は非難し攻撃したというのだ。

ましてや欠点だらけの我々である。

すべての人から好かれるなど、到底実現不能な幻想に違いない。

かなわぬ幻想を追い求めるより、手の届く現実こそ直視すべきであり、

人からあれこれ言われたとて、必要以上に落ち込んだり過剰に反応したりするのは道理に合わぬ徒労といってよかろう。

では、分かり合えないからといって、好きになれない相手を憎んで遠ざけ、排斥していていいのか。

もちろん答えは「否」である。

折合いの悪い人は、別の視点で観ると、欠点を指摘してくれる好敵手とも言える。

周り中がイエスマンだったら、気分はいいかもしれないが、順境ばかりではきっとどこかで足をすくわれる。

人間関係は難しいが、適度な苦味が料理の旨さを引き立てるように、人生を味付けるスパイスと心得て、嫌いな人とも向き合っていきたいものである。

(消化器内科 本藤 有智)

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

学会や講演会にいくと、講師のお話の後、司会から
「フロア(会場)から質問・コメントありませんか」
と呼びかけがある。
演者と直接やりとりし、疑問を解消できるのみならず、病院をアピールするチャンスでもある(※)。
※発言前に所属と名前を明らかにするのが暗黙のルール
しかし、よい質問をするのは難しい。
大勢の前で手をあげる緊張ももちろんのことながら、
皆さんの貴重な時間をいただくのであるから、
できれば講演内容を補完かつ会場のニーズをつかんだものにしたい。
いつも「こんなことを聞いていいのかな、空気読めているかな」と
尻込みして手を挙げられず、あとで後悔する。
そんなとき胸に去来するのが、
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」

たとえヘタな質問で笑われても、それは人生におけるほんの一瞬の出来事で、
新たな知見を得るチャンスを逃すことのほうがよっぽど損失が大きいのだ。
「旅の恥はかき捨て」という諺もある。
次の学会では、ぜひ勇気を持って挙手しようと思う。

(消化器内科 本藤 有智)

雑談の効用

医局には談話スペースがあり、私はそこで昼食をいただいています。

昼食仲間(?)に循環器内科の○先生がいて、いつも愛妻弁当を広げているのですが、
ある昼休み、担当患者さんで微熱とCRP(炎症反応)高値が続く方があり、何気なくそのことを話題にしました。

○先生いわく、
「IE(感染性心内膜炎)は除外したいところだから、血培(血液培養)はとっておいたら?」
とのこと。

その患者さんはすごく元気で重症感がなく、IEは疑っていなかったのですが、念のため血液培養を採取してから退院としました。

それが返って来たのです。血培陽性の報告が。

急ぎ、循環器内科に連絡をとり、感染性心内膜炎の診断のもと治療が開始され事なきを得ました。

実は、その患者さんは、がんの手術を控えており、
精査のための入院だったのです。

もちろん手術は延期となりました。

感染に気づくことなく、そのまま手術を受けていたら…

外科医と二人、危なかった~と胸をなでおろしていました。

上司からは、
「本藤、よく気づいたな」と、賞賛をもらいましたが、
○先生の発言がなければ診断にはたどりつけなかったでしょう。

雑談には、危険を未然に防ぐすごい力があります。
業務に無関係な「私語」は厳に慎むべきと思いますが、
風通しのよい「雑談」は、よりよい病院づくりの一助となるかもしれません。

(消化器内科 本藤 有智)

心を治す、管理課の凄技

職場のPHSを不注意で落としてしまい、画面が割れてしまった。

通話はできるが、不便なことこの上ない。

まだらに黒線の入った液晶を見るたびに、自分の浅慮に胸が痛む。

ダメ元で管理課に修理を依頼したら、ものの20分で完璧に復元された。

たまたま手元にあった同じ型番の液晶を移植したのだという。

あまりに早いのと美しいまでの仕上がりに、しばらく開いた口がふさがらなかった。

沈んでいた心も一気に明るく、心まで治してもらった気分になった。

技術には、人を幸せにする力があると知った。

自分も身につけた医療技術で、患者さんを幸せにしたいと強く思った。

(消化器内科 本藤 有智)

sugo