寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
先日、今年度4回目の寺澤先生との症例検討会が行われました。
1例目は喘鳴・呼吸困難で救急搬送された高齢男性の症例でした。同じ主訴でも年齢と性別によって最初に想起すべき鑑別疾患が違うこと、特に高齢で喫煙歴や生活習慣病を持っている患者では血管疾患を見逃さないことが必要だと教えていただきました。またCOPDと気管支喘息が併存するasthma-COPD overlap syndromeという病態が提唱されていること、高齢者の喘鳴、咳嗽では気管支喘息と同時に左心不全の可能性を考える必要があることを教えていただきました。
2例目は胃癌術後で化学療法中の高齢男性が呼吸苦と右季肋部痛で救急外来を受診した症例でした。診察を待っている間に症状は消失していましたが、狭心症など血管疾患では症状が間欠的で痛みがゼロになることもあるため、症状の移り変わりをきちんと聞き取り、年齢、既往歴、生活歴などを考慮し慎重に対応する必要があることを教えていただきました。
今回のレクチャーには実習中の学生さんも参加してくれて、寺澤先生お得意のものまねを披露してくださり、楽しい雰囲気のなかで救急外来での鑑別診断の考え方や問診のコツをたくさん学ぶことができました。この度はお忙しい中、当院にお越しいただき誠にありがとうございました。