Dr.Gautam Deshpandeによる臨床教育レクチャー
7/9に順天堂大学総合内科よりゴータム・デシュパンデ先生にお越しいただき、研修医が経験した症例について英語での検討会が行われました。
今回の症例は持続する発熱を主訴とし、複数科で精査されたのち最終的に腎生検にて顕微鏡的多発血管炎と診断された高齢女性の一例でした。
発熱は日常の診察でもよく出会うcommonな症状です。しかしながら、鑑別は感染症、膠原病、腫瘍熱、薬剤熱など多岐にわたる上、問診や身体診察からある程度鑑別が絞れる場合もあるため、診察力が問われる難しい症状とも言えます。今回はまず感染症を鑑別に挙げて、患者背景はどうか、それらを踏まえてどういう感染症が考えられ、どんな症状の聴取が必要かということについて、様々な議論を行いました。あくまで研修医を主体としつつも、ゴータム先生も一緒に考えながら、様々な鑑別を通して総合内科的問診の仕方を詳しく教えていただき、勉強になりました。
後半は問診をする際に重要な「ダイヤモンド」に関してレクチャーいただきました。
ここでいう「ダイヤモンド」とは、患者が主体的に話してくれた情報量を三角形で表し、医療者が質問して患者から引き出した情報量を同様に三角形で図示した際に、その両者を組み合わせた図形のことを言い、その形が左右対称な「ダイヤモンド型」に近づくほど良い問診ということだそうです。医療者・患者のどちらかが一方的に話すのではなく、双方向的なコミュニケーションを目指すことが適切な診断につながるという、日ごろの診察の在り方について考えさせられる話でした。
最後になりましたが、この度はご指導いただき貴重な経験となりました。ありがとうございました。