寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
先日、今年度初となる寺澤先生との症例検討会が行われました。
1例目は脳梗塞既往のある高齢男性で、頭痛・嘔気と軽度意識変容、半身麻痺や呂律障害等元々の麻痺症状の増強がみられたことから脳梗塞の再発を心配し来院した症例についてでした。脳梗塞後の症状は感染症など頭蓋内病変以外の要因で増強するように見えることもあり、収縮期血圧がそれほど高くない場合には脳血管障害以外の原因がある可能性が高いということを教えていただきました。頭の症状に気を取られすぐに頭部CTに飛びつくのではなく、バイタルや既往・内服歴等から全身状態に影響を及ぼすものがないか一度網羅的に診察することの重要性を学びました。
2例目は若年女性の腹痛についての症例でした。妊娠可能年齢の女性の腹痛では消化器疾患だけでなく婦人科疾患、特に妊娠について必ず聴取し、場合によっては検査も行い確実に除外を行う必要があると改めて学びました。また卵巣出血や捻転など性行為と関連して腹痛が出現する場合もあり、非常に聴取しにくい項目ではあるけれど配慮の上意識的に聴取する必要があるなど女性の腹痛ならではの注意点を数多く教えていただきました。
今回のレクチャーも非常に学びが多く充実したものとなりました。この度はお忙しい中、当院にお越しいただき本当にありがとうございました。