寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
救急科寺澤秀一先生にお越しいただき、当院研修医が経験した救急症例2例について症例検討会を行いました。当院の目玉レクチャーともいえるこの症例検討会は毎回多くの発見があり、コロナ渦が続く中今回も無事開催されたことを嬉しく思います。
1例目は意識変容で来院された症例で、本人・ご家族ともに医療関係者であり対応に苦慮した症例でした。意識障害の鑑別についてのミニレクチャーとともに、研修医だけで問題を抱えすぎず早めに上級医に相談すべき状況について医療的側面・社会的側面の両面から教えていただきました。
2例目は当初心筋梗塞様の所見、心電図変化があった大動脈解離の一例でした。急性冠症候群を疑う際には肺塞栓や大動脈解離も鑑別に挙げるべきであること、大動脈解離に気づけず検査のため抗血小板薬を投与してしまうリスクと急性冠症候群に対し抗血小板療法の開始が遅れてしまうことのデメリットを天秤にかけながら診察検査を行っていかなければならない鑑別の難しさを教えていただきました。一分一秒を争う現場で活躍する救急科の先生方のすごさを改めて実感いたしました。
この度はお忙しい中、当院にお越しいただき本当にありがとうございました。このレクチャーで学んだことを今後の実臨床でも活かせるよう邁進してまいります。