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厚生連高岡病院

〒933-8555 富山県高岡市永楽町5番10号
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厚生連高岡病院 卒後臨床研修医(初期研修)

卒後臨床研修(初期研修)新着情報

寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー

この度、寺澤秀一先生にお越しいただきレクチャーをしていただきました。実際に研修医が救急外来で経験した症例を提示し、問診・身体診察・検査・鑑別の流れの中で寺澤先生がユーモアを交えて勉強になるお話をしてくださいました。
1例目は高齢者の発熱で、身体所見では目立った異常が見られない症例でした。結果的には血液検査とCT検査で胆管炎と診断されましたが、この症例を通して高齢者の発熱をみた際には、肺炎・尿路感染・胆道感染・皮膚軟部組織感染をまず疑い、たとえそれらしい所見があっても決め込まないことの大切さを改めて学びました。また、胆嚢炎と胆管炎の鑑別として、血液検査のALPの上昇の有無が有用だということも知ることができ、今後頻繁に遭遇するであろう疾患なので診療に活かしていこうと思いました。

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2例目は、意識障害を主訴に来院した慢性硬膜下血腫の症例でした。寺澤先生のお話で興味深かったのは意識障害の鑑別に収縮期血圧が有用だというもので、収縮期血圧が120mmHg以下の症例では頭蓋内病変よりも心血管系など別の原因が疑わしいことを知りました。「低血圧、脳の画像は後回し」という川柳を胸に刻んでおきたいと思いました。また、見逃されやすい脳出血について多くの画像を提示しながら分かりやすく解説していただきました。
このように寺澤先生のレクチャーは、鑑別診断の考え方や、救急外来で研修医が判断に迷う場面の思考過程を実際に体験しているかのように学ぶことができ、非常に有意義な講義でした。最後になりましたが、お忙しい中当院まで来てくださった寺澤先生、レクチャーを企画していただいた当院のスタッフの皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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