飯村傑先生による臨床教育レクチャー
今回は、エルゼビアジャパンのChief Medical Officer、今日の臨床サポート編集長である飯村傑先生のレクチャーでした。飯村先生には一年を通して様々な英語論文の読み方を教えていただきました。今回は今年度最後のレクチャーということで、今まで学んだことを生かしつつ、チームで話し合いながら英語論文を読み進めていきました。
今回は「ココナッツオイルの摂取が心血管系疾患のリスクファクターに与える影響について」というテーマについてのシステマチックレビューとメタ解析の英語論文を読み進めていきました。論文はココナッツオイルがコレステロールを上昇させると考えられている一方で、心血管疾患のリスクファクターに良い影響を与えるともいわれており、実際に他の調理油について行われた様々な臨床試験データをメタ解析し、ココナッツオイルの脂質やその他リスクファクターに与える影響を比較検討したものでした。これまでのレクチャーで学んだ論文を読み解いていくプロセスを確認しながら、チームで話し合い論文の解釈を深めていきました。
一般的にメタ解析はエビデンスレベルが一番高いというイメージを持っていましたが、実際に論文を読む前と後ではイメージが変わりました。今までのレクチャーでもそうだったのですが、ただ漫然と論文を読んで判断するのではなく、解析に使用された各研究データの要素を吟味し、どういった方法で解析してどのような結果が出たかを理解しながら読み進めることで、論文や研究自体の信ぴょう性を明確な根拠をもって判断することができ、そのことが、自分が実際に臨床現場で働く上でとても重要なことなのだと認識させられました。一年を通して英語論文の要点を整理し、読み進める上でのプロセスを教えていただいたおかげで、自分の中で最初に持っていた英語論文に対する抵抗はかなり薄れたように思います。このレクチャーで学んだことは、医師として仕事をする上で大変価値のあることであり、研修医の時期にこういった考え方を教えていただけたことはとても貴重な経験となりました。
最後になりましたが、お忙しい中、当院まで来てくださった飯村傑先生、レクチャーを企画していただいた当院のスタッフの皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。