則末泰博先生による臨床教育レクチャー
今回は、東京ベイ・浦安市川医療センターの則末泰博先生にお越しいただき、集中治療病棟でのプレゼンテーションの仕方、終末期医療の考え方について講演いただきました。
私自身は、以前からプレゼンテーションに対し苦手意識が強く、実際に話す際にもうまく要点を伝えられないもどかしさを感じることが多々ありました。
今回の則末先生のお話では、話す順番というプレゼンテーションの第一歩から、各症候をどのように評価するかという各論まで、丁寧にご説明いただきました。その中でも、話す上で重要なことと簡単にまとめてしまってもよいことを、どのように考え、区別するかを教えていただいたことが印象に残っています。このレクチャー以降、集中治療病棟でのプレゼンテーションは、以前と比較すると要点を意識したものに近づけたのではないかと感じています。
後半は、終末期の患者への関わり方についてお話いただきました。私たち医療者が、最期の時間に提供できることはどのようなことなのかを具体的に考える機会を与えていただきました。認知症患者における意思決定の問題など、今後自分たちが直面するであろう問題について理解を深めることができました。
お話の中で特に印象に残ったのは、患者や家族に選択をせまる場面で、どのように選択肢を提示するかということです。例えとして、我々がカレー専門店で細かなスパイスの選択を迫られても難しいのと同様に、患者・患者家族にとっては細かな医療処置の選択をすることは難しいということを改めて実感しました。
選択肢を提示する際には、受け取り側が理解しやすいように、そして、メリット・デメリットを深く理解した上で、偏った考えを押し付けることのないように気をつけていきたいと感じました。
私たちは、このレクチャーを通して実践的な学びを多く得ることができました。今回お忙しい中当院まで足を運んでくださり、このような機会を設けていただいた則末先生に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。