飯村傑先生による臨床教育レクチャー
今回は、エルゼビアジャパンのChief Medical Officer、今日の臨床サポート編集長である飯村傑先生のレクチャーでした。飯村先生のレクチャーは今年に入り3回目で、今年最後のレクチャーとなりました。
今回は「βブロッカーを内服されている患者が急性心不全で救急搬送されてきた場合、βブロッカーを継続するか、中止するか」という臨床的疑問を例として、実際の英語論文を読み、治療方針について議論しました。論文は、急性心不全患者でβブロッカーを継続もしくは中断した場合の死亡リスク・再入院率等をコホート研究にて比較検討したものでした。これまでのレクチャーで教えて頂いた論文を読み解いていく上でのポイントを確認しながら、論文を解釈していくところから始まりました。また、今回は前回まで扱っていたランダム化比較試験のものと違い、プロペンシティスコアを用いた比較群の均等化やハザード比を用いた解釈方法に関して具体例を交えながら分かりやすく教えていただきました。
前回までに学んだ事を踏まえ、チームで話し合いながら論文を読み進め、対象の選択方法・研究デザイン・結果に至るまでのプロセスで問題点がないかを議論しました。今回の研究の信憑性は高いと断言できるものではありませんでしたが、βブロッカーを継続した方で予後が良いという共通認識を研修医全体で持つことが出来ました。
計3回のレクチャーで英語論文の読み方が以前比べ、身についてきたことを今回のレクチャーで実感することが出来ました。
最後になりましたが、お忙しい中、当院まで来てくださった飯村傑先生、レクチャーを企画していただいた当院の先生方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。