寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
今回は福井大学地域医療推進講座教授、寺澤秀一先生にお越しいただき症例検討会として2症例についてご講義いただき、研修医一同とともに検討させていただきました。
1例目は脳梗塞の症例でした。意識状態がやや悪い方で、話の内容が不明確な方に対しては、学生時代の精神科受診歴などを問診で確認する必要があるが、その質問の仕方には注意が必要であることを学びました。多くの夫婦はそのような精神疾患やてんかんの既往については夫婦間、または家族間で隠している可能性があり、家族が同席している場合は、席を外してもらった上で質問するなど本人が答えやすいように配慮する必要があると教わりました。救急外来では病歴や既往歴について素早く情報収集をすることに集中するあまり患者の感情に配慮することがおろそかになりやすいと考えられるため、このような細かい配慮もこれからの診察に活かしたいと思いました。
2例目は上腹部痛を主訴にした方でした。この症例で印象に残ったところは、自発痛、圧痛、反跳痛の有無、などの所見を正確に記載することの重要性を教えて頂いたことと、圧痛のある所にはその部位の臓器に何かしらの問題があるという言葉です。このような考えがベースにあることで、その部分の鑑別疾患を考え、必要な検査を考えることができると思います。また単純CTと造影CTの取り方の実際など実際の業務の中でつまずく点についても解説いただき、次からの救急外来で活用できる知識とすることができたと思います。
最後になりましたが、今回レクチャーして頂いた寺澤先生、企画して下さった厚生連の先生方に感謝申し上げます。