この度は聖路加病院リウマチ膠原病センターの田巻先生にお越しいただき、血管炎のレクチャーをしていただきました。まずは、血管炎の一般的なレクチャーしていただき、そのあとに先ほどのレクチャーで学んだことを思い返しながら、田巻先生が実際に経験した症例を提示していただき、グループでの症例検討を行いました。前半で血管炎の一般的な知識を確認できたので、症例検討での理解が深まり、議論も白熱し、大変有意義な時間になったと思います。
症例は、結節性多発動脈炎の診断をされているが、セカンドオピニオンで田巻先生を受診した症例でした。小血管炎の検査所見が出ているにも関わらず、大血管炎のような臨床所見が出ており、診断に難渋していた症例でした。一つ一つの検査所見をしっかり考察する機会を設けていただき、大変勉強になりました。最終診断は血管肉腫と、誰も頭をかすめもしなかった診断でした。やはり、実臨床は教科書通りにはいかないんだと痛感しました。私たちは一度診断をつけてしまったら、その診断からなかなか離れられず、間違った治療を続けてしまうことも多々ありま す。田巻先生のように常に他人や自分の診断に疑いを向けることが大切なんだと学びました。今回学んだことを明日からの臨床に活かしたいと思います。
田巻先生には何度も当院にお越しいただいており、研修医レクチャーをしていただいています。大変有意義な時間を過ごすことができています。今回のレクチャーを企画していただいた当院の先生方、そしてお忙しい中当院まで来てくださった田巻先生にこの場を借りて感謝申し上げます。