寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
今回は、福井大学地域医療推進講座教授、寺澤秀一先生にお越しいただきました。研修医が症例提示を行い、それに沿ったテーマについてご講義いただきました。
今回のレクチャーで印象に残ったのは、「聞きなれぬ 薬はすべて 確かめる」という川柳です。救急外来では、多数の内服薬のある患者さんを診察することも少なくありませんが、それらがどのような作用の薬なのか理解することで、起こりうる有害事象を予想することができます。
抗凝固薬を飲んでいれば出血のリスクを考える、NSAIDsを飲んでいれば胃腸障害を考える、など私たちが普段から意識しているものもあります。しかし、薬には数多くの種類があり、聞きなれないものに関しては、その副作用はもちろん、作用さえ知らないわけですから、私たちは多くの情報を失ってしまうことになります。
「内服薬から既往を想像すること」「内服薬から訴えを予想すること」が非常に重要で意味のあることだと改めて認識することができました。
また、私たちには多くの同期や先輩がいますが、その中での情報の共有が重要であることを教えていただきました。ひとりが回ることのできる科は1か月にひとつですが、そこで経験したことをみんなと共有することで、より密度の高い研修ができ、今後自分が新しい科について学ぶ際の糧とすることができます。この恵まれた環境であるからこそできることだと感じました。
今回の寺澤先生のレクチャーでは、疾患や検査、治療に関する知識はもちろんのこと、診療に向かう姿勢や、同期や先輩との関わりの重要性についても気づくことができました。
今後、実際に診療にあたる際には、知らないことはしっかりと調べること、自分が経験したことは積極的に共有していくことを大切にしていきたいと思います。
最後に、今回レクチャーしてくださった寺澤先生、企画してくださった厚生連の先生方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。