寺澤秀一先生による臨床教育レクチャー
今回の研修医が経験したヒヤッとした症例から学ぶ寺澤Dr.のレクチャー。症例は消化器内科初診外来にて経験した「下腹部痛を訴える女性」でした。
この情報を聞き出したい、大事だとわかっていても、どういったらうまく引き出せるのか。その具体的な方法や話の運び方を、寺澤先生の寸劇まじりのレクチャーから学びました。
女性の腹痛をみたら、病歴を無視してでも鑑別・検査すべきことは妊娠反応。そういわれる所以はなにか!なんとなくわかっている気がしていましたが、その重要性を、婦人科の腹痛で怖いものは何か考え、鑑別診断を列挙し整理する際に再確認することができました。腹痛の所見や月経周期の情報を丁寧にとることが診断につながり、その方法を細かくわかりやすくレクチャーいただいたことが印象に残っています。なんとなく知っていることを、知恵を使って自分のものにしていく、そういった作業に取り組むことで、ひとつひとつ経験することを引き出しとして使えるようになるのかもしれないですね。さっそく毎日の腹部診療に活かしています。
また、患者さんが仕事のあるこの時間の外来に来る理由は?仕事をきけば健診あるか推測できるかも?そういったものに頭を働かせながら、問診をすすめていく知識をふやして、話しやすい雰囲気づくりを作り上げていくことができるのかな、という希望を感じました。
今回は、当院に臨床実習に来ている学生さん12人も講義に参加し、講義のあとには、最近出版された「研修医御法度(赤本)第6版」をもって研修医、学生が寺澤先生に並ぶサインの列があり、和やかな雰囲気で終わりました。春から新しいメンバーを迎えて、研修医1年目、2年目で引き続き症例検討会をより面白く充実したものにしていきたいと思います。寺澤秀一先生、お越しいただきありがとうございました。
(研修医N)