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厚生連高岡病院

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厚生連高岡病院 卒後臨床研修医(初期研修)

卒後臨床研修(初期研修)新着情報

Dr. Kris “Siri” Siriratsivawongによる臨床教育レクチャー

2016年12月7日9時30分~15時30分に米海軍少佐であり横須賀海軍病院に勤務する外科医シリー・クリス先生によるレクチャーが開催されました。本年度も何度か行われている英語によるレクチャーですが外科系の先生は初めてでした。

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1症例目は健康若年成人男性が突然の腹痛を訴えているというもの。腹痛はER受診のおよそ10%を占めており、病歴と身体所見が非常に重要であるとのこと。病歴ではOPQRST”(O nset、P recipitating/ relieving、Q uality、R adiation、S everity、T iming)やCOLDER AS”(C haracter、O nset、L ocation、D uration、E xacerbating Factors、R elieving Factors、A ssociated S ymptoms)といった“語呂合わせ”を用いると網羅的かつ効率的に問診できること。また、身体所見では疼痛部位と解剖学的な臓器の位置の理解が重要でありPain Scaleを使って痛みの程度を聴取することも有用であるとのことでした。最終的には虫垂炎の鑑別に至り直ちにオペしたという症例でした。今回の症例では他の疾患が概ね除外できるためCT検査は不要であるとのこと。しかしながら、若年女性で婦人科系疾患を考慮しなければならないケース、あるいは基礎疾患のある患者の場合には虫垂炎の鑑別にCT検査も必要になるであろうとのことでした。
次の症例は乳がん。触診でしこりがあった場合に次に考慮すべき検査はマンモグラフィー、エコー、MRI。それら検査で乳がんの可能性が極めて低く、かつ乳腺線維腺腫の可能性が高い場合のプランについて聞かれ、研修医は全員“経過観察”と答えました。しかしながら、訴訟大国アメリカでは生検を行いがんの可能性を否定するのが一般的とのことであり文化の違いを痛感させられました。
次に続いたのは簡単な海軍の紹介。43万人が所属し、430隻の船を配備しているとのこと。世界に横須賀海軍病院のような病院が50あり、うち2つは病院船ということです。病院船ではオペもできるが船の揺れのために手元が狂うことがありとても大変とのこと。シリー・クリス先生は今後その50の病院へ異動する可能性があるとのことでした。
3症例目は交通外傷。ショックの鑑別を直ちに正確に行った上で、オペ適応の是非をいかに判断できるかが勝負であるとのことでした。
最後にエコーの使い方のレクチャー。研修医が患者役となり実際にFAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)を行いました。シリー先生のデモンストレーションの後に研修医全員がエコーを手に取り行いました。エコーは低侵襲かつ有用であり、かつ経験が重要であることからレジデント時代のシリー先生は救急外来でかたっぱしからエコーをあてていたそうです。我々研修医もそういった姿勢が必要であると感じました。

1207-2英語のレクチャーの度に“大変だなぁ。聞き取れるかなぁ”と心配になりますが先生はゆっくり話して下さりますし、必要に応じて狩野先生が通訳して下さるので概ね内容を理解でき、終了後には有意義なレクチャーであり多くのものを得られたと毎回感じます。
シリー先生のレクチャーを是非また受けたいと強く思いました。
(研修医H)

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