Dr.Gautam Deshpandeによる臨床教育レクチャー
2016/12/03 Sat. 9:30-12:00
今回はお天気の休日の午前中という貴重なお時間をいただきまして、Gautam先生にレクチャーしていただきました。双方のやりとりをとても大切にされている気持ちがGautam先生から強く伝わり、初対面にも関わらず、気づけばお互いの自己紹介の段階でアイスブレイクしていました。ジョークや笑いがある楽しい空間で、さらには、英語と日本語のちゃんぽんが早々に許され、英語に構えて萎縮するようなことなく、純粋に会話を楽しみ、症例について考え、あっとゆう間に午前中が終わっていました。
今回のレクチャーでは、「身体診察はなぜ必要か。身体診察から鑑別診断を挙げ、考える過程がいかに大事であるか。」ということを、2つの症例を通して学びました。私達は今、目の前に診断がまだついていない患者さんがいたとき、CTスキャンなど簡単にオーダーできる環境にいます。しかし、この先、どこでもいつでもそうとは限りません。災害時であったり、小さな病院であったり、高価な医療器具がない環境にて、いつ自分が働くことになるかは、あまり想像していません。身体診察の所見が、どういった画像や検査結果、診断結びついているかということを、今、見ることができる環境にいる間に、私達は必死に学んで覚えていかなければならないということを気付かされました。
身体診察のメリットとしては、コスト削減であったり安全で低侵襲であったり、何回でもすぐにできるということが挙げられ、小さな変化・違和感などにも気づくことができるでしょう。患者さんとのコミュニケーションになり、信頼関係を築くためにも重要なツールとなっているといえます。
Case1.中年女性が3日前から咳、痰。ただの上気道感染で、特別治療のいらない病態なのか。それとも、肺がんなど長く付き合っていかなければならない病態なのか。あるいは、急に治療が必要な命に関わるような病態なのか。
Case2.高齢女性が突然の食欲不振。一緒に住んでいる家族がいない、そんな彼女の病態を把握するのに必要な情報はどうやったら得られるのか。その情報をどこまで丁寧に着眼できるか。
それぞれ、「微妙」に思えるバイタルやラボデータであったとしても、丁寧な問診と、身体診察、そして鑑別をあげ、除外していく、疑っていく…そういった作業から、診断が導かれました。今回の症例検討会で、診療をしていくにあたって、とても大切な姿勢を学んだと思います。Gautam先生、お越しいただきありがとうございました。
(研修医N)