医局抄録
(医局研究会 2019.02)
救急科 菊川哲英
当院における災害対応の流れ
当院は災害拠点病院であり、災害発生時に被災地内傷病者の受け入れ及び搬出を行うことができるよう備えておく必要があります。今回の医局会では救急科から、「当院における災害対応の流れ」をテーマに勉強会を行わせていただきました。直下型地震などにより全職員が長期にわたり対応が必要な、当院災害対応マニュアルにおける災害レベルⅢAを想定しお話させていただきました。
大規模事故・災害への体系的な対応に必要な項目としてCSCATTTがあり、当院でもその項目に沿って対応を行っていきます。まずは指揮と統制をとるため、災害対策本部を設置します(C:Command & Control)。院内各部署においては、部署の安全(S : Safety)、被害状況の確認を行い、本部へ情報を伝達(C:Communication)します。集まった情報をもとに状況を評価(A:Assessment)し、対応を行っていきます。
診療部門においては、トリアージ(T:Triage)エリア、緑エリア、黄エリア、赤エリアを新設し、多数の傷病者に対して治療(T:Treatment)を行います。被災地内で診療が困難な傷病者は、診療が可能な地域へ搬送(T:Transport)を行います。以上のような項目に沿って対応を行っていきます。
また、近年の災害医療においてはDMATとの協働が不可欠となっており、災害時にうまく受援をできるようにしておく必要があります。今年度の院内災害訓練は中部ブロックDMAT実働訓練とあわせて行い、対応を確認しました。
大災害発生時には、病院全体での対応が必要となります。今後も定期的な訓練を実施し、災害に備えていく必要があります。職員の皆様の御協力をよろしくお願い致します。