『おくすり手帳』を活用していますか?
(2017.12)
薬剤部 清水 雅子
みなさんは『おくすり手帳』を持っていますか?
『おくすり手帳』は、いつ、どこで、どんなお薬を処方してもらったか記録しておく手帳のことです。使用しているお薬の名前や、使い方などに関する情報を、過去のアレルギーや副作用の経験の有無とあわせて、経時的に記録するためのものです。
当院の入院センターでは、看護師・事務員・薬剤師が入院される患者さんのお手伝いをしています。薬剤師は持参薬の管理をしています。『おくすり手帳』や薬剤情報紙から、ふだん飲んでいるお薬に、以下のものが含まれていないかをチェックさせていただいています。(当日には持参されたお薬の中身の再確認を行っています。)
◎血をさらさらにする作用のある薬…手術や出血リスクの高い検査・処置を行う場合に一時的に中止することがあります。
◎ビグアナイド系の糖尿病薬…ヨード系造影剤を使用する場合には一時的に中止する必要があります。
『おくすり手帳』があれば、上記の確認をスムーズに行うことができます。これまでにも事前に確認できたことで、出血などの危険を避けることができた事例があります。
病院や医院にかかるとき、調剤薬局でお薬を受け取るとき、市販薬・健康食品を薬局で購入するときに、『おくすり手帳』をお見せください。薬の重複や、飲み合わせのよくない薬のチェック、アレルギー歴や副作用の確認などが可能になり、より安心してお薬を使用していただくことができます。また、薬の使用の記録があることで、同じ薬による副作用の再発を防止できます。
気になることや体調の変化についてご自分でメモをしておけば、医師や薬剤師に質問したい時にも役に立ちます。
さらに、旅行先で病気になった時、救急で受診する時、災害時時など、『おくすり手帳』があれば、飲んでいるお薬を正しく医療者に伝えることができます。
いつも携帯し、みなさんが『おくすり手帳』を持っていることをご家族に知らせておくためにいつも同じ場所に保管しておきましょう。
大切なことは、飲んでいるすべてのお薬を1冊の『おくすり手帳』にまとめて記録しておくことです。全国、どこの病院、薬局でも、同じ手帳をお持ちください。