当院におけるリハビリテーションの提供について
(医局研究会 2017.06)
リハビリテーション科 糸川秀人
当院において、リハビリテーションはどのように提供されているのか、どのように、保険診療としておこなわれているのかということを、また、最近新しいものとして、がんリハビリテーションをおこなっているので、これについてもこの場をかりて、少し記述し、お知らせしたいと思います。
リハビリテーションは、疾患の治療とともに並行しておこなわれて、患者の最高の可能性を探り、ひき出すものと考えております。
皆さんには、なじみがあり、以前よりおこなわれていたものとしては、整形外科疾患にたいする運動リハビリテーション(保険点数 1単位20分おこなうことで185点)、脳外科、神経内科疾患にたいする脳血管疾患リハビリテーション(保険点数 1単位20分おこなうことで245点)、呼吸器内科や外科的疾患(特に術前リハビリテーション)におこなう呼吸器リハビリテーション(保険点数 1単位20分おこなうことで175点)がありました。
しかし、疾患が多様化してきたため、リハビリテーションも細分化され、疾患別となってきました。そこで、最近、始められたものとして循環器疾患にたいする心臓大血管リハビリテーション(保険点数 1単位20分おこなうことで205点)を心臓リハビリテーション指導士の試験合格者を配して、2008年1月よりスタートさせております。
また、さらに最近では、がん罹患率の上昇に伴い、がんリハビリテーション(保険点数 1単位20分おこなうことで205点)という概念ができ(これは、がんに罹患した患者さんを、リラクゼーションおよび気分転換をしていただき、さらに身体機能をできるだけ高め、自宅退院へ導く。)、これをおこなうためには、「がんのリハビリテーション研修会」(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のうち4名でチームで参加)を修了したチームが院内にあることが必要条件であるため、その研修を修了したチームが院内にできた2011年12月よりそれをスタートしております。
院内では、いろいろな疾患に対してリハビリテーションリを行っているわけではありますが、患者分布としては、運動器リハビリテーション 11.7-13.2%、脳血管疾患リハビリテーション10.4-14.0%、呼吸器リハビリテーション8.0-9.9%、がんリハビリテーション7.0-9.0%、廃用症候群リハビリテーション3.8-6.4%という分布でリハビリテーションの提供をおこなっています。。
そして、さらに本年4月より、地域包括ケア病棟が運用し、高度急性期や急性期後期に回復期のリハビリテーションや長引く急性期の入院患者を急性期からの経路で受け入れています。在宅、生活復帰支援機能の強化のため看護体制は10対1、専従理学療法士1名、専従ソーシャルワーカー1名の体制でリハビリテーションの強化(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士において少なくとも2単位おこなう。)、栄養管理、摂食機能療法、退院支援、および調整などの院内多職種協働をもおこなっています。これからは、糖尿病の教育入院、減薬調整入院なども医療制度上重要と考えております。今後ともご協力の程、この紙面をかりお願いする次第であります。