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ニュース&トピックス

学術コーナー

当院における褥瘡対策と褥瘡の発生状況について(H26)

(褥瘡対策委員会 2014.07)

褥瘡対策委員長 長谷田泰男

当院では入院された全ての患者さんに対して褥瘡の危険因子を評価し、危険因子をお持ちの患者さんには褥瘡対策に関する診療計画書を立案し、褥瘡予防・治療を行っています。褥瘡対策委員会(医師・看護師・薬剤師・理学療法士・栄養士・事務職など多職種からなる)では、褥瘡の発生状況を毎月院内LAN (Local Area Network)にて全職員に報告して啓発を図っています。定期的に病院全体の講演会を開き、各病棟に配置した褥瘡届け出看護師に対しても公開性の勉強会を開催しています。また体圧分散マットレスの充実を図り、高機能型エアマットレス、体圧分散に優れたウレタンフォームマットレスを常時使用できる体制を整えています。皮膚科・形成外科医師、皮膚排泄ケア認定看護師が定期的に患者さんを診察して、褥瘡のみならず様々なスキントラブルに対する相談や、指導などを行っています。現場となる各病棟・部署の褥瘡対策チームとも、週1回のカンファレンスを持ち、指導や情報の共有を図っています。また平成25年3月には、全病棟と透析センターのベッドマットを褥瘡予防・感染対策を考慮した、より快適なウレタンフォームマットに一新しました。
しかしこのような褥瘡対策にもかかわらず、残念ながら病院内でも種々の要因が重なり褥瘡は発生します。
平成25年1月から12月までの褥瘡発生状況については以下通りです。
・褥瘡有病率 4.2% (毎月一定日の褥瘡患者数÷該当日の総入院数、年間の平均値)
・褥瘡発生率 0.9% (当月に院内で発生した褥瘡患者数÷当月の総入院数、年間の平均値)
・推定発生率 2.0% (毎月一定日の院内発生褥瘡患者数÷該当日の総入院数、年間の平均値)
これらの値は入院患者さんの高齢化、重症患者さんの増加、持ち込み褥瘡患者さんでは深い例が多く、在院日数が長くなることなどから変動があり気を抜く事はできません。
最近では各種医療機器による圧迫創傷も増加傾向にあり、患者さんの看護やケアにはより注意が必要となっています。
褥瘡の発生部位は、殿部(仙骨・尾骨部含む)が50%を占め、次いで足部、大腿大転子部の順で発生しています。
褥瘡の深さは、院内発生例は90%以上が浅い褥瘡(発赤・真皮までの深さ)です。 これに対して持ち込み褥瘡は、25%以上が深い褥瘡(皮下・筋骨に及ぶ)でした。自宅や施設等で発生する褥瘡を減少させ、早期発見・早期治療を行うなど、地域と連携した褥瘡対策が必要と考えられます。

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平成26年7月  厚生連高岡病院褥瘡対策委員会