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ニュース&トピックス

学術コーナー

進行がん患者の在宅療養支援

(医局研究会 2014.01)

腫瘍内科 柴田 和彦

がん診療に携わる医療職の心構えとして、「がんサバイバーシップを支える」ことが重要である。がん患者は、治癒するしないに関わらず、共通した出来事、治療、感情を経験するものである。がん患者の歩む道程にある様々な障害をできるだけ減らし、ともに歩んでいくのが医療職の役割であろう。腫瘍内科では、対象とする患者のほとんどが治癒不能な進行がん患者である。進行がん患者に対しては、身体的苦痛に対する治療、身体以外の苦痛への対処、必要に応じた局所治療、終末期へ向けてのホスピスケアなどを包括する概念である「緩和ケア」がその治療の土台をなし、診断から死亡までを切れ目なくつないでいる。ともすれば主役と考えられがちな薬物療法は、緩和ケアの土台の上に、その効果が副作用を上回ると判断される間に限って上乗せされる治療である。
従来緩和ケアは、QOLを高めることが目標であり、生存期間を延長させる治療ではないとされてきた。しかし、2010年マサチューセッツ総合病院のJ.S. Temelらによって報告された、IV期非小細胞肺癌患者に対する早期緩和ケアの有効性を検証する臨床試験において、治療開始前からの緩和ケア介入により、QOLの改善、うつの頻度の低下が得られるのみならず、生存期間の延長も得られることがわかり、抗がん治療と緩和ケアの目的は、まさに一致することが示された。
進行がん患者では、積極的な治療が困難となる時期が必ずやってくる。その際には、療養の場について患者の希望を確認するとともに、抗がん治療は中止となっても緩和ケアは継続されることを伝える必要がある。「ここではもう、やることがありません」は誤りであるし、禁句である。この時期には、緩和ケアチーム・外来やがん相談支援室へのコンタクトをとるとよい。療養の場として、入院を希望する場合は、療養型病院では通常は不十分であり、中小の一般病院(特に紹介元)の医師に直接受け入れの可否を確認する。また、県内のホスピス(緩和ケア病棟)についても紹介を行う。在宅療養を希望する場合は、訪問看護・訪問診療を導入し、必ず退院前カンファレンスを行う。最初から「看取りの場」を決める必要はなく、また、外泊を繰り返すのは、患者と家族療法にとって負担が大きい。退院後は、在宅チームが診療の主体となり、病院には後方支援の役割が与えられる。在宅療養中の救急対応については、輪番制に関わらず受け入れることになっており、電子カルテで患者のカルテを開く際の画面で、担当診療科を確認できる。日当直医は、初期対応まで行ったうえで主診療科にご連絡をお願いししたい。