地域医療の明日をみつめる 厚生連高岡病院ホームページにようこそ。

厚生連高岡病院

〒933-8555 富山県高岡市永楽町5番10号
TEL 0766-21-3930(代) FAX 0766-24-9509
文字サイズ変更
文字サイズを小さく
文字サイズを大きく
厚生連高岡病院トップページヘ
厚生連高岡病院のアクセス情報へ

ニュース&トピックス

学術コーナー

日本と世界のワクチンギャップ

(医局研究会 2010.10)

小児科  樋口 収

 昨今、日本はワクチン後進国と言われています。日本の予防接種制度は先進国の中では大きく遅れており、日本と世界のワクチン事情には大きな差があります。先進国ではワクチンにより制圧しつつある麻疹が国内で大流行したり、他国と比較すると定期接種(国のワクチンプログラムに入っており、公費負担で無料)の種類や回数は明らかに少なく、他の先進国ではみんなが当たり前のように打っているワクチンの多くが、日本では高い料金を支払って任意で受けなければいけません。
そのような状況の中、ヒブワクチン(アクトヒブ)、小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)というワクチンが新たに認可されました。ヒブ(Hib)はヘモフィルスインフルエンザ桿菌b型の略称で、肺炎球菌とともに髄膜炎の起因菌であり、小児の細菌性髄膜炎の8割前後がこれらの細菌で起こります。ヒブワクチンは他の国々では20年くらい前から定期接種となっていたワクチンで、ワクチン導入によりヒブ感染症は激減しています。肺炎球菌ワクチンも他の先進国では10年前に登場したワクチンで、ワクチンとして実績があります。これらのワクチンの導入により、今後多くの小児細菌性髄膜炎が予防できると考えられます。
日本では任意接種としているワクチンの多くが、他国では定期接種として位置づけられ、全員が受けるワクチンとなっています。日本で受けることのできるワクチンは是非積極的に接種して下さい。