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厚生連高岡病院

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ニュース&トピックス

学術コーナー

当院での冠動脈CTの現状について

(地域医療連携講演会 2010. 6.20)

内科  木山 優

近年の生活習慣の変化に伴い、心臓・血管病は死因の第一位であり、虚血性心疾患単独では悪性新生物に次いで第二位となっています。狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患は動脈硬化が進展し、狭窄が高度になるまで無自覚であることが多いことから、病状が急変し、手遅れになることもあります。
従来、自覚症状がある場合は負荷心電図や負荷心筋シンチグラフィを行い、疑わしい場合には冠動脈造影検査(CAG)で高度狭窄を検出する方法が行われてきました。しかしながら最近では64列マルチスライスCT(MSCT)の登場により、その優れた空間分解能により冠動脈の狭窄がわかるようになってきました。当院でも昨年9月に米国ゼネラルエレクトリック社製の64列MSCTが導入され、冠動脈疾患の診断に役立っています。今回は冠動脈CTにつき当院の現状を説明させていただきます。

 

 

上記のごとく冠動脈CTは感度・特異度とも非常に優れていることが報告されております。

 

 

*PCI:経皮的冠動脈形成術、*CABG:冠動脈バイパス術

 

<冠動脈CTの適応>  
主に狭心症が疑われる患者さんですが、典型的な胸部症状があり、負荷心電図が陽性である患者さんには冠動脈CTは施行せず、CAGを行うことが多いです。むしろ非典型的な胸部症状の方、負荷心電図は陽性だが胸部症状がない方、負荷心電図が怪我などで困難な方、冠危険因子を多数有している方に冠動脈CTによる検査を施行するようにしています。また冠動脈バイパス術後、年数が経過している患者さんのバイパスグラフト開存の有無についても冠動脈CTは有用です。

<冠動脈CTの利点・欠点>
外来で施行でき、患者さんの負担(苦痛)が少ないことが一番と思われます。また冠動脈CTは陰性的中率が高く、この検査で高度狭窄なしと判定されれば、まず間違いありません。
しかしすべての患者さんに施行できるわけではありません。造影剤を使用しますので、腎機能の悪い方や、造影剤アレルギーのある方は施行できません。またこの検査は心電図同期で撮像を行うわけですが、呼吸でも画像が乱れるため、息止めがしっかりできないと、きれいな画像を構築できず、診断能が低下します。また画像構築に関しては心拍数の影響力が大きく、心拍数65回/分以上になると画質の悪化が出始めるため、可能な限りβ遮断薬を用いて撮像するようにしていますが、β遮断薬服用困難で心拍数の早い患者さんや心拍の乱れが多い(心房細動や頻発する期外収縮の)患者さんも診断能が低下します。なおCTという検査の性質上、高度石灰化を有する患者さん(透析患者など)は石灰化が膨張して映るために、冠動脈CTには向かないと思われます。このように冠動脈CTが不向きな患者さんにはCAGをお勧めしています。

 

当院での検査の流れは下記の通りです。

 

当院では現在水曜日・木曜日の午後に冠動脈CTを施行しておりますが、上記のとおりすべての患者さんに施行できる検査ではないため、まずは循環器外来にご紹介いただき、当科より冠動脈CTの予約を取らせていただいております。検査結果に関しては後日患者さんにご説明させていただいておりますが、お忙しい患者さんにはご紹介いただいた先生に検査結果を郵送させていただき、説明していただく形にしております。