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ニュース&トピックス

学術コーナー

顔面神経麻痺

(2009)

耳鼻咽喉科

顔面神経麻痺ではステロイドが有効

突発性難聴とは対照的に、顔面神経麻痺ではステロイド剤が有効であることが報告されました。

特発性顔面神経麻痺(最初に報告した英国人医師の名前から、ベル麻痺 Bell’s palsy とも呼ばれます) ではステロイドの有効性が証明されました。(Sullivan, Early Treatment with Prednisolone or Acyclovir in Bell’s Palsy., N Engl J Med 2007;357:1598-607.) この報告は無作為化比較試験の非常に信頼性の高い報告で、レベルの高いエビデンスを提供してくれました。

この研究では発症72時間以内の特発性顔面神経麻痺の患者さんにステロイド (プレドニゾロン1日25mg x2回、10日間)と抗ウイルス剤(アシクロビル400mg、1日5回)をそれぞれ投与する群と投与しない群で比較検討しました。その結果ステロイド投与群では3ヶ月時点の治癒率が83.0%で(非投与群で63.6%)、9ヶ月では94.4%(非投与群で81.6%)で、有意差をもって有効性が証明されました。一方坑ウイルス剤(アシクロビル)による治癒率の上乗せ効果はみとめられませんでした。

顔面神経麻痺の回復がおくれて後遺症が残ると、患者さんの心理的負担は重大なものとなりますので、すこしでも治癒率の高い治療法が望まれます。今回の報告でステロイドの効果が明確になったことで、この疾患については自信をもってステロイド剤をおすすめすることができます。ただしステロイド剤が投与されない場合でも8割以上の方が完全治癒していることには留意すべきです。今後も私たちはこのような明確なエビデンスをもとに、皆様に良質な医療を提供できればと願っております。