新型コロナウイルスの特徴
総合診療科・感染症内科診療部長 狩野 惠彦
飛沫・接触感染する風邪の原因ウイルスの一種
新型コロナウイルスの感染経路は、咳やくしゃみで飛び散ったしぶき(飛沫)などから感染する「飛沫感染」と、感染者やウイルスがついた物との接触を媒介して感染する「接触感染」であると言われています。
ウイルスに曝露してから症状が出るまでの潜伏期間は1~14日といわれていますが、5日前後で発症する人が多いようです。
初期は風邪の症状 高齢者は重症化の傾向も
新型コロナウイルス感染症の初期の症状は、発熱や鼻水、のどの痛み、咳といった呼吸器症状など、風邪やインフルエンザの症状とほとんど変わらないといわれています。ただ、息苦しさや強いだるさが特徴ともいわれています。
感染者の多く(約8割)は軽症ですが、約2割は重症化するといわれています。特に高齢者や基礎疾患(循環器疾患や糖尿病など)がある人が重症化しやすい傾向にあります。死亡率は3~4%と報告されていますが、患者の年齢によって大きく違いがあります。
自然治癒が基本 体を休めることが大切
風邪や新型コロナウイルス感染症などのウイルス感染の場合、原則として特効薬はありません。このため、ウイルス感染の治療は、病気に伴う症状をやわらげるという対症療法を行いながら、自然治癒を目指します。症状が軽いときは早期の受診を避け、身体を休めることが大切です。治療薬に関しては、いくつかの薬が試験的に使用されていますが、現段階ではっきりとした効果を示しているものはありません。