「脳死下臓器提供に関わる関係団体の連絡会議」開催される

厚生連高岡病院、富山大学附属病院、(財)富山県腎臓バンク、(社)日本臓器移植ネットワーク中日本支部が主催となり、脳死下臓器提供が発生した場合、混乱なく本人および家族の意思に沿った提供ができる体制の確認を目的として関連団体の連絡会議が12月4日(金)14時30分から当院3階講堂で開催されました。
平成9年10月に臓器移植に関する法律の施行後、平成11年2月28日本邦初の脳死臓器提供が高知県で行われ、富山県では平成18年3月26日県立中央病院で本邦44例目のご提供がありました。平成21年7月国会で臓器移植法A案が可決され、現場での対応も追加改定する必要があります。
そこで富山県内で臓器提供病院の役割を担う当院をはじめ富山大学附属病院、県立中央病院、富山赤十字病院、富山市民病院の5病院の当該事項に関わる医師・看護師・事務官・検査技師・院内コーディネーターに県警本部、県消防防災課、県防災航空センター、富山市消防局、高岡市消防本部、県厚生部、県腎臓バンク、アイバンクの関係者ら計65名が会し、提供に伴い考えられる問題点について意見交換が行われました。
初めに当院のマニュアルに従った机上シミュレーションにより一連の脳死臓器提供手順の確認を行いました。とくに臓器提供意思の確認については、設定事例に即し家族へのオプション提示の場面をデモンストレーションで供覧しました。次いで大阪大学附属病院移植医療部福島教偉教授の講演「臓器移植医療 今後の展望~臓器移植法改正で何が変わるのか?」がありました。法改正により脳死臓器提供は2008年度の年間15件から2010年度には81件程度になると予測されます。この数字は、この10年間の総数に匹敵し、富山県でも年間1件程度の発生が見込まれることになります。
脳死臓器提供では一点の曇りもない医学的対処はもとより、検視、臓器搬送(空路と陸路)、マスコミ対応などに病院の総力を挙げた対応が必要となります。今後提供事例が発生したとき関係各所が円滑に連携をとり、患者さんの意思が生かされる体制整備に役立てるべく2時間半に亘り熱心な意見が交わされました。
厚生連高岡病院 臓器提供委員会委員長
長谷川 健