超高速マルチスライスCT導入

1.最新鋭マルチスライスCTの導入
当院では、この度、米国ゼネラルエレクトリック製 超高速マルチスライスCT(LightSpeed VCT VISION)を導入いたしました(平成21年10月初旬に稼働)。
この装置は、医療機器開発の進歩と共に、従来行われていた全身領域のCT診断のみならず、心臓領域においても描出が可能となり。ますます診断応用範囲が広がります。
この最新技術が搭載されたCTだと、高速撮影による高精細CT血管撮影、脳こうそくの早期診断、また血管内治療による治療後の経過診断や、全身領域の腫瘍の鑑別・拡がり程度などの診断レベル向上のみならず、検査、治療の向上へも大きく貢献することが期待できます。患者さんと診療科に新しい診断の切り口と一段と高い効率性をご提供できる最新鋭CT装置です。
2.導入装置の特長
1) 循環器領域において最新の診断撮影法の搭載
従来、循環器領域(心臓)のCT撮影は、多くのX線ビームを必要とし、また心拍により動いている臓器を撮影する技術に乏しく、うまくいきませんでした。
しかし、画期的な技術進歩により、脈波にあわせた撮影ができ、且つ撮影時間の短縮化により、5心拍(約5秒)での心臓撮影、精細な画像を得ることが可能となり、患者さんへの被曝も、これまでのCTと比較して画期的に低減可能となりました。
全身領域における高画質化ならびに被ばくの低減を実現し、救急患者さんはじめ放射線科、脳外科、内科・循環器科など、あらゆる診療科の検査に幅広く応えることができるようになりました。
2) 全身領域で高速で広範囲の撮影が可能
じっとしていることが困難な小児や救急、呼吸不全などの患者さんでは、体の動きの影響を受けて診断不十分なCT画像となっていましが、従来不可能であった撮影テーブルの加速・減速時のデータ収集を可能とすることで、最大312.5mmの広範囲において500スライス相当の撮影が可能となりました。
また、従来のCTでは、息をとめて撮影するケースには、15~20秒も止めなければなりませんでしたが、この新CTでは、広範囲の超高速撮影ができます。例えば肺の検査では2秒の息止め、肺から骨盤までは5-7秒程度の簡単な息止めで撮が終わりますので、楽に検査をお受けいただけます。
3)低被曝かつ、高画質で全身領域の撮影が可能
従来は、詳細で正確な画質を取ろうとすると、X線被曝が多くなる欠点がありました。
しかし、この度導入した最新のCTでは、新開発の画像作成技術(ASIR)で、これに対応し、低被ばくと高画質を両立させることが可能となり、高分解能な画像のご提供が可能となります。
また、CT撮影を行う際、3次元的に電流を自動調節する機能が搭載されていますので、無用なX線ビームにあたることなく、安心して検査をお受けいただけます。