厚生連高岡病院NST(栄養サポートチーム)からのお知らせ

NST Q & A
Q:NSTってなんですか?
A:NSTとは、栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)の頭文字をとった略語です。栄養管理に詳しい医師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、看護師などが集まり、入院患者さんや外来患者さんの栄養状態を良好に保つことを目的として活動する医療チームです。
Q:病気を治すのに栄養が必要なのですか?
A:もちろんです。弱った内臓が回復したり、けがが治ったりするのには栄養が必要です。壊れたところを直すのには材料が必要なのです。薬や手術による病気の治療に気をとられて体が極端に弱ってしまっては大変ですね。糖尿病や腎臓病のように糖質の制限や蛋白質の制限が必要な病気の治療でも、栄養学的に気を配れば体力の低下を最小限にすることができます。スポーツの世界ではトレーナーや管理栄養士などがチームを組み、オリンピックでメダルを狙える有名選手にアドバイスをすることは珍しくなくなっています。同様に病気を治すこと、リハビリで力をつけることなどと栄養管理は密接に関係しているのです。
Q:NSTはどのようなことをするのですか?
A:まず、看護師が入院患者さんから栄養状態の悪い方をみつけます。その患者さんたちに詳しい栄養状態の評価をします。そのうえで、それぞれの患者さんたちに適した栄養摂取の方法、栄養の量などを提案し、さらにその効果をみていきます。はじめに提案した栄養の量が少なかったり、反対に多い時には微調整していきます。一番患者さんと接する時間が長い看護師、薬の専門家である薬剤師、検査データの専門家である臨床検査技師が参加しているので、きめ細やかな栄養管理を主治医に提案できるのです。
厚生連高岡病院NSTの概要と活動内容
2002年より活動開始
厚生連高岡病院NSTのメンバー構成:外科系医師 3名、内科系医師 2名、歯科医師 1名、薬剤師 2名、看護師 15 名、管理栄養士 3名、臨床検査技師 2名、言語聴覚士 1名、訪問看護師 1名、事務員 1名 合計 31名
活動内容:毎週木曜日に、全員が集まって症例検討会を行っています。症例検討会で決まった方針は、当院の電子カルテを通じて主治医に伝えられます。また、症例検討会に引き続いて病棟回診を行います。なお、私たちNSTに栄養管理の依頼があった患者さんには担当を決めており、担当者は必要に応じて患者さんの所へ伺うことにしています。
点滴やチューブから胃腸に栄養剤を注入する方法もありますが、私たちNSTは口から天然の食品を摂取することが一番であると考えています。何らかの理由で口から食品を摂ることができなくなった患者さんには、病気の回復に合わせて物を飲み込む能力(嚥下能)も回復してきていないかを注意深く観察します。嚥下の専門家が参加していることも私たちのチームの強みです。物を飲み込むことができたとき、患者さんやご家族は大変喜ばれます。それは、私たちにとっても大変うれしいことなのです。