診療科・専門部・部門 臨床工学部

臨床工学部について

概要

当院の臨床工学部は、医療機器管理担当課・臨床担当課の2課体制で業務を行っています。
臨床工学部の業務は多岐に渡っており、その全てを詳述することは困難ですが、各業務の概要を紹介いたします。

医療機器管理担当課

2013年3月「新」医療機器管理センターに移転し、医療機器管理システム(Mims2)を導入して、約3,500台の医療機器を中央管理しています。

中央管理下にある人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、心電図モニターなど主な医療機器は、基本的に同一患者での使用であるため、退院や転院時に医療機器管理センターに返却され、清拭(消毒を含む)後に、清掃、調整、作動確認後に保管(充電)し、再度貸し出しを行っています。また、使用後の返却機器は「感染者に使用」「がん患者に使用」「一般」に大別され、臨床工学技士が毎朝速やかに返却機器の回収を行うことで、各病棟には不必要な医療機器が見当たらない工夫も取り入れています。そのため、医療機器は機能面でも数量面でも適切に管理できていると病院機能評価機構より高く評価されました。

2016年1月より医療機器管理センター感染対策ラウンドを導入しています。

院内の医療機器を臨床工学技士が計画的に定期点検を実施し、常に安全な状態で使用できる体制を整えています。病棟で人工呼吸器を使用している患者さんがおられる場合には、病棟を訪問してチェックを行い、医療事故の防止に努めています。また、看護師をはじめ他の医療スタッフに対し、定期的にME機器講習会を開催し、医療機器の正しい取り扱い方法やトラブル時の対応などについて指導を行い、医療機器の誤操作等のヒューマンエラー軽減に努めています。また、その他の業務として、周産期・新生児集中治療病棟業務やKM-CART業務や病棟ラウンド業務や医療機器安全教育指導活動なども行っています。

KM-CART業務は、2015年11月よりCART(腹水濾過濃縮静注法)を機械式から改良型のCARTに変更し、短時間で大量の腹水処理が可能となり、月・水・金曜日の予約制で各3枠を専用のKM-CART室にて施行しています。2022年4月までに436症例を施行しており、当院では、癌性腹水に対しても積極的に行っています。

臨床担当課

(1)血液浄化療法センター

血液浄化療法センターは40床のベッドを有しており、月・水・金曜日には夜間透析も実施しています。早出・日勤・遅出勤務の各勤務帯に臨床工学技士がおり、機器トラブルにも迅速に対応できる体制をとっています。また、血液透析のみならず、血漿交換やGCAPなどのアフェレシス業務にも対応しています。

現在、オンラインHDF、IHDF、オートプライミング、透析部門管理システム(STEPⅡ)も導入され運用しています。臨床工学技士は、すべての透析装置の保守管理・メンテナンスを行い、透析液の水質管理に重点を置き、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう努力しております。

(2)手術室

心臓外科手術症例は年間約50例です。CABGは全例Off-Pumpを予定術式としており、人工心肺を使用する症例は決して多くはありませんが、安全を第一に考え、基本に忠実な人工心肺操作を心掛けています。

手術室においてはその他に、手術支援ロボット「ダビンチ」、術中神経モニタリング、腹部大動脈手術や整形外科手術における術中自己血回収、麻酔器・電気メスなど各種医療機器の保守点検、トラブル対応を行っています。

当院では、2015年より一般社団法人日本体外循環技術医学会が実施する体外循環症例データベース事業に参加しました。

(3)集中治療病棟・救命救急病棟

急性血液浄化療法、補助循環装置の操作・管理、人工呼吸器の管理を中心に業務を行なっています。ECMOおよびCRRTを施行している間は、24時間、臨床工学技士が院内に常駐し、治療を安全に実施できるようサポートしています。また、当院では末梢血幹細胞採取を集中治療病棟において実施しており、この際の装置の操作も臨床工学部で行っています。

(4)心臓カテーテル室

PCIでは、IVUS・OFDI・FFRの操作のほか、万一、血行動態が破綻した場合に備えていつでもECMO・IABPを施行できる体制を整えています。また、2012年に心臓カテーテル室が2部屋へ増設されたことに伴い、清潔野における医師介助も開始しました。その他、カテーテルアブレーションではアブレータや関連機器の操作を行っています。

(5)植込みデバイス関連業務

外来での検査のみならず、近年では積極的に遠隔モニタリングを導入し、約650名の患者さんのフォローアップを行っています。

(6)高気圧酸素治療

第1種装置を1台保有しており、放射線治療と併用する悪性腫瘍の患者さん等の治療に使用しています。近年、症例数が大幅に増加し、年間700~800件に迫るペースとなっております。

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