当科は、6名の医師により、年間約650件の手術を行っております。およそ半数が骨折などの外傷手術ですが、三次救急病院の整形外科として、いかなる外傷に対しても機能を最大限に温存する治療を行っております。 鳥畠康充(とりばたけ やすみつ)医師は、整形外科専門医、脊椎脊髄病手術指導医、スポーツドクターなどの資格を持っております。平成21年4月より金沢大学整形外科臨床准教授を拝命いたしました。金沢大学やアメリカのエモリー脊椎センターでの脊椎脊髄外科専門医養成訓練を経て、1997年当院に赴任しました。学会活動としては、日本脊椎脊髄病学会(評議員)、日本脈管学会(評議員)、日本腰痛学会(評議員)、地域活動としては、富山県整形外科医会(理事)、富山県西部臨床整形外科医会(事務局長)などを務めております。年間約120-150件の脊椎手術を行っており、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(ようぶ・せきちゅうかん・きょうさくしょう)手術に顕微鏡を利用しておりますので、手術翌日より歩行開始し、約1週間で退院可能です。また腰椎すべり症を直す腰椎固定術に対して、すこしでも患者さんの身体に優しい手術をめざし、独自の改良を重ねており全国より若手脊椎外科医の見学・研修を受け入れております。手術後は、患者自身が痛みを調節できる特別な装置を用い、手術後の痛みを減らす努力を続けております。 間欠跛行(歩いていると足が痛くなるが、休むとよくなりまた歩ける(図1)という症状の方おられませんか?60歳以上の日本人の4人に1人が持っている頻度の高い症状です。わたしは、間欠跛行をライフワークの研究テーマとし、年間約30件、全国の学会や医師会において講演させていただいております。ほとんどが腰で神経が圧迫されておこるものですが(図2)、動脈硬化により足の血管が閉塞して生じる場合(図3)も少なくありません。後者の場合、脳や心臓の血管も障害されている人が20%以上もいらっしゃることが最近の研究でわかりました。間欠跛行は、放置しておくと、足の神経麻痺のため歩けなくなったり、足が腐ってしまったりすることがあります。早めに専門医の診察を受けられることをお勧めします。手足のしびれ、腰痛や坐骨神経痛、歩行障害などの症状でお困りの方はぜひご相談ください。 丸箸兆延(まるはし よしのぶ)医師は、関節部門のチーフとして人工膝関節置換術、人工股関節置換術、関節鏡手術や靭帯再建術を数多く手がけています。昨年の人工関節置換術は64例で、特に、膝関節置換術は大腿四頭筋をあまり切らない方法を採用したため、手術後の痛みが少なく、リハビリテーションがスムーズで患者さんに喜ばれております。また、人工関節置換術後に生じるエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の予防にも積極的に取り組んでおります。一般的に人工膝関節置換術後の静脈血栓塞栓症の発生率は約40-60%ですが、当院ではいろいろな工夫を行っているため、わずか2.1%です(2009年日本人工関節学会において報告)。金沢大学における博士号課程ではスポーツ研究室に所属し、腱や筋損傷を予防するための遠心性トレーニング(筋を引き伸ばすようなトレーニング)に関する研究を行い、学位を取得しました。スポーツ障害、特にバスケットボールやハンドボールでの受傷が多い膝前十字靭帯損傷予防にも積極的に取り組んでおります。1999年に日本体育協会認定スポーツ専門医の資格を取得し、2000年国体から富山県の陸上競技チームのチームドクターをしています。昨年の日本臨床スポーツ医学会において、陸上選手における早期競技復帰への取り組みについて発表し、早期復帰を目指す陸上選手の治療には、復帰目標、種目の検討、手術法、競技に応じた後療法を柱として行っていることを報告しました。また,投球障害肩のリハビリに積極的に取り組み,リハビリ部門と連携し,真下投げの指導を行い,良好な結果を得ています。選手の障害の治療はもちろんのこと、その選手の将来にとって何が最善かを監督・コーチ・トレーナーとともに模索していくのがスポーツドクターの役割と考え、積極的に選手の練習や試合の現場に出て活動しています。スポーツ障害に悩む選手は、ぜひご相談にこられてください。 岡本春平(おかもと しゅんぺい)医師は骨折などの外傷と肩関節疾患を中心に治療を行っています。肩関節の疾患としては腱板断裂・肩関節周囲炎(五十肩)・インピンジメント症候群・反復性脱臼等・変形性関節症など様々な疾患があり、現在腱板断裂を中心に手術を行っています。肩関節手術は、病態によって内視鏡手術による患者さんに優しい手術が可能になってきました。肩の痛みで悩んでおられる方はぜひ受診されてください。 当科は、いかなる運動器疾患に対しても対処可能であります。なんなりとご相談にいらしてください。